バレンタイン 1 ページ10
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今週末は高校生になって初めてのバレンタイン。
周りはレシピ本を見て”あれ作る”だの”これ作りたい”だの盛り上がっている。
『何作ろっかな〜』
竜太「俺いつものね」
『はいはい』
幼馴染である竜太には毎年チョコクッキーを渡してきた。
竜太曰く”Aのチョコクッキーは最高”らしい。
竜太「てか嘉将には?あげないの?」
竜太「嘉将甘いもの好きだよ」
竜太の部活見に行ったときに一目惚れした加納くん。
でもクラスは別でバスケ部である竜太の練習を見に行くって口実で見るくらい。
竜太は加納くんと仲良いみたいだけど。
竜太「告ればいいじゃん」
『いやいやいや、仲良くもない人から告られたら困るでしょ』
竜太「俺は嬉しいけど」
『竜太の話は聞いてない』
竜太「俺に限らず男は全員嬉しいと思うけどな〜」
バレンタイン当日、結局みんな甘いもの作ってくるしってことでタッパーに大量に唐揚げを入れて持ってきた。
晴美「わ、A天才!」
楓「口の中甘かったからしょっぱいの食べたかったんだよね〜」
黎弥「まじチョコも有難いけど唐揚げはもっとありがてぇ笑」
竜太「あ、嘉将じゃん」
おーい、なんて呼ぶもんだから加納くんは当然こっちを見る。
竜太「嘉将ちょっと来て!」
嘉将「竜太くんどうしたの?」
竜太「これめっちゃ上手いから!」
そう言ってわたしの唐揚げを指さす。
可愛げ無いって思われた、よね。
嘉将「Aちゃんが作ったの?」
『あ、はい…』
『な、名前なんで…』
嘉将「あ〜竜太くんがよく話してくるから」
『あ、そうなの?』
竜太「まぁ、うん話してる」
嘉将「うわ、めっちゃ美味しいじゃん!」
竜太「口甘かったからちょうどいいっしょ笑」
嘉将「この発想はないよね笑」
嘉将「Aちゃん唐揚げありがとうね」
嘉将「じゃ、俺のこの後ちょっと呼ばれてるから行くわ」
竜太「お、告白?笑」
嘉将「うっさいわ笑」
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作者名:らびあり | 作成日時:2023年3月29日 19時