32広斗じゃない ページ32
「幸いなのは、雇われてるのは家村会じゃなくて二階堂ってこと。二階堂さえどうにか出来ればいいけど…」
雅貴さんの言葉に広斗の抱き締める力が強くなった。
二階堂って人、そんなに危険なんだ…
もう嫌だ。
「そんな顔すんな。俺がいるだろ。」
そんなこと言ってくれて凄く嬉しいけど
私と一緒に居なければ広斗はこんな目にあってなかったんだな
って思うと、胸が苦しくなる。
「ありがとう。」
それでもやっぱり側に居てくれるのは嬉しい。
私、本当に広斗無しじゃ生きていけない。
お願いだから私と広斗を引き離さないで。
それから私は極力外に出ないようにした。
買い物は全部広斗に任せた。
家で一人で待つ時間がどうしうもなく不安で怖くなる。
帰って来たときの安心感に泣きそうになる。
ガチャ、と鍵の開く音がして
帰って来たって玄関まで迎えに行こうとしたんだけど
なにか違和感を感じた。
…？
中々リビングに来ない。
ドタドタと足音で分かった。
広斗じゃない。
急いで携帯を出して広斗に電話を掛ける。
広斗…出て…
バンッと開いたリビングのドア。
黒のスーツを身にまとった男たち。
私を見てにや、と笑った真ん中の男が二階堂なのか私には分からない。
「親御さん心配してんだろ。」
「いや、」
行きたくない。
身体が全然動かない。
「連れてけ。」
「はいっ！」
抵抗もあまり出来ないまま、口元をハンカチで押さえられて
遠のく意識。
広斗…助けて。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1691人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「登坂広臣」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
樹 - 一気に読ませて頂きました。色んな広斗のお話を読みましたが一番自分のイメージに近くてすんなり描写が浮かぶほど良かったです。広斗凄くかっこよかったです。続編もあるとの事なのでそちらも読ませて頂きます。 (2016年9月5日 7時) (
レス) id: 52d6986797 (このIDを非表示/違反報告)
あーみ(プロフ) - 花梨さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2016年2月17日 15時) (レス) id: c9ff890565 (このIDを非表示/違反報告)
花梨(プロフ) - 続編楽しみです！ (2016年2月17日 14時) (レス) id: 30f5f80c86 (このIDを非表示/違反報告)
臣LOVE(プロフ) - スッゴク面白かったです！ぜひ続編にしてください！！ (2016年2月17日 11時) (レス) id: df9273acf8 (このIDを非表示/違反報告)
あさみ - 中々、ヒロトのお話って少なかったので続編をたのしみにしています！ (2016年2月17日 7時) (レス) id: b1acdd8939 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あーみ
| 作成日時：2015年12月23日 0時
