25家族のこと ページ25
広斗に抱き締められて
私も抱き締めて
心底安心する存在に
私の全部を知ってほしいって思った。
突然起き上がった私に何かを感じてくれたみたいで
広斗も隣に座った。
その優しい眼差しに射ぬかれそうなりながら
私の、家族のことを話すことにした。
私のお父さんはお酒に酔うとお母さんに暴力を振るう人だった。
それは私が小さい頃から。
私が高校生になった頃、
お母さんはお父さんに私を売ったんだ。
「私じゃなくて、娘にしてよ！」
そうお母さんが叫んだときは頭が真っ白になった。
意味が理解出来なかった。
その時は、精神的におかしくなったお母さんが言った言葉だと思った。
殴られて殴られて、気を失った次の日
何事もなかったように接してくる二人が怖かった。
だけど私は本当の二人はこの優しい二人なんだって信じてた。
だけど、その暴力にいつしかお母さんまで私にするようになって
何も信じられなくって家を出た。
行く宛もない私を助けてくれたのが広斗だった。
広斗の指が私の頬を撫でる。
私、いつの間に泣いてたんだろ…。
「おいで。」
と広斗が自分の膝をポンと叩く。
素直に膝の上に座ると
おでこにちゅ、とキスされてた。
「私ね、親に…愛されて、なかったんっ…」
最後まで言う前に口を広斗の唇で塞がれてしまった。
「俺はAのこと、愛してる。」
何で私の言ってほしい言葉が分かるのかな。
エスパー？
もう、何でもいいか。
涙でボヤける視界が嫌で涙を拭うと
甘い顔した広斗が私を見て微笑んでいる。
その表情から、愛しいって感情がいっぱい伝わってきた。
きっと自惚れじゃない。
「広斗…ありがとう」
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樹 - 一気に読ませて頂きました。色んな広斗のお話を読みましたが一番自分のイメージに近くてすんなり描写が浮かぶほど良かったです。広斗凄くかっこよかったです。続編もあるとの事なのでそちらも読ませて頂きます。 (2016年9月5日 7時) (
レス) id: 52d6986797 (このIDを非表示/違反報告)
あーみ(プロフ) - 花梨さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2016年2月17日 15時) (レス) id: c9ff890565 (このIDを非表示/違反報告)
花梨(プロフ) - 続編楽しみです！ (2016年2月17日 14時) (レス) id: 30f5f80c86 (このIDを非表示/違反報告)
臣LOVE(プロフ) - スッゴク面白かったです！ぜひ続編にしてください！！ (2016年2月17日 11時) (レス) id: df9273acf8 (このIDを非表示/違反報告)
あさみ - 中々、ヒロトのお話って少なかったので続編をたのしみにしています！ (2016年2月17日 7時) (レス) id: b1acdd8939 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あーみ
| 作成日時：2015年12月23日 0時
