12不安 ページ12
広斗の家に住ませてもらって
もう１週間以上経った。
私は毎日料理を作るようになって、
広斗は毎回美味しいって食べてくれるから作りがいがある。
幸せで、たまらない毎日。
そんなある日。
ピーンポーンと珍しく家のインターフォンが鳴った。
ダルそうに広斗が立って誰か画面で確認する。
「は、」
画面を見た広斗は驚いたような、
眉間に皺を寄せて嫌そうな顔をした。
どうしたんだろう。
「なんだよ…ﾁｯ、」
舌打ちしたのに、外に行く準備をし始めた広斗。
「すぐ戻るから。」
イライラしてる広斗。
私の顔、ちょっとも見てくれなくて
不安になる。
今から会うの女の人でしょ？
なんとなく分かるよ。
…私、ここに居ていいのかな。
もしもその子が広斗と、なんて想像したら
不安で堪らなくなる。
広斗と過ごせて幸せとか思ってたけど
何時かは私が出て行かなきゃいけない日が来るんだ。
私は広斗と一緒に居たいけど、
広斗が私を要らないって言うなら
私は黙って此処を出て行く。
出て行く日が今日になったりして…
そんなの、やだよ。
今決意したばっかりなのにもう決意が揺らぐ。
バンッと乱暴に開けられたドアの音。
広斗が帰って来た。
「ただい…」
広斗が私の顔を見て驚いていた。
え？
私、なんかした？
腕を引かれてそのまま広斗の腕の中。
「広斗、どうしたの？」
「どうしたの？はこっち。何泣きそうな顔してんの。」
うわ、顔に出ちゃってたんだ。
バカだ私。
広斗に抱き締められて安心したのか
気持ちが溢れてきた。
「だって、だって…っ、」
気持ちと一緒に涙も溢れて止まらない。
広斗と離れたくなんかない。
私、いつの間にこんなに広斗のとこ好きになってたんだろう。
「ごめん。不安にさせちゃったな。」
どうして広斗は私の気持ちが分かるんだろう。
背中を擦られて
うとうとと瞼が落ちた。
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樹 - 一気に読ませて頂きました。色んな広斗のお話を読みましたが一番自分のイメージに近くてすんなり描写が浮かぶほど良かったです。広斗凄くかっこよかったです。続編もあるとの事なのでそちらも読ませて頂きます。 (2016年9月5日 7時) (
レス) id: 52d6986797 (このIDを非表示/違反報告)
あーみ(プロフ) - 花梨さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2016年2月17日 15時) (レス) id: c9ff890565 (このIDを非表示/違反報告)
花梨(プロフ) - 続編楽しみです！ (2016年2月17日 14時) (レス) id: 30f5f80c86 (このIDを非表示/違反報告)
臣LOVE(プロフ) - スッゴク面白かったです！ぜひ続編にしてください！！ (2016年2月17日 11時) (レス) id: df9273acf8 (このIDを非表示/違反報告)
あさみ - 中々、ヒロトのお話って少なかったので続編をたのしみにしています！ (2016年2月17日 7時) (レス) id: b1acdd8939 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あーみ
| 作成日時：2015年12月23日 0時
