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ベランダに行くと
後を追いかけて灰皿と自分のタバコを持ってる。
お前も吸うのかよ。
ベランダにある大きなスリッパと小さなスリッパ
ここにもかよ…
だりぃーってまじで。
俺のジッポで火をつけた。
吸い込んだ空気を肺に溜めて
いろんな邪念を吐き出すように息を吐く。
『スリッパも捨てるから』
「そーして」
『barもひとりじゃ行かない』
「べつにそこまでせんでもいいけど」
『樹くん嫌な気持ちにならない？』
「なる」
『じゃー行かないよ』
「たくやさん怒るんじゃない？」
『どーだろ』
「すげーAのこと大事にしてるみたいだし」
『まーずっと親代わりだったし』
「へぇー(オヤガワリ？)」
『学校の授業とか参観いつもきてくれて恥ずかしかった。
あ、もうおわりやめる。この話やめる。』
「授業参観？」
『うん。あ、うちね、ママは私が産まれた時、
パパは私が中学の時に。
だからずっとお兄ちゃんが！』
「まって。兄貴？」
『うん。お兄ちゃん』
「たくやさん？」
『お兄ちゃん』
「きいてねぇー」
待って、兄貴なん？
確かにそれだと全部説明つくわ。
納得するわ。
『あれ？言ってないっけ』
絶対あの日たくやさんに遊ばれてたじゃん…
「なんこ歳離れてる？」
『15だよ』
俺も人ん家のこと言えないけど
そんだけ離れてたらわからん。
「あっそう…」
ホッとしたような、なんというか
「ごめん。勘違いしてた」
『彼氏とでも思った？』
「バリね」
『似てないしね』
「うん」
『パパが違うから』
「そっか」
『お兄ちゃんの話はやめるしスリッパも捨てるね』
「ごめんって」
意地悪するような顔して
ニヤニヤしてるAはちょっと嬉しそう。
『来週の休み予定あって東京いく予定』
「夜は？」
『樹くん夜は？』
「22時には仕事終わるかな」
『へへへへ』
「なに？」
『ね？』
「言わんとわかんねー」
散々勘違いさせられたんだから
ちょっとくらい意地悪させてよ。
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作者名：唯音
| 作成日時：2023年2月24日 22時
