らいおん君が本気の恋をした話【2】 (ページ24)

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「さっきまで誰が来てた？」

『え、うん』

「へぇー」

『樹くん来るよって言ったら、よろしくって言ってたよ』

「は？たくやさん？」

俺とAの共通の知り合いなんて

ここに出入りしてるのなんて

たくやさんしかいない。

『うん。会って行ったら？って
　言ったけど仕事だからって帰ったけど』

「お前俺と付き合ってる自覚あんの？」

『仮だけどね』

そう言ってクスクス笑ってる彼女に

無性に腹が立った。

でも現実(仮)と言うことに変わりはない。

「仮でも他の男のこと話す？」

『ごめん。嫌だった？気をつける』

「嫌じゃねー奴いないだろ」

『あたし別に気にならないけど』

「へぇー」

『怒ってる？』

「別に」

空気は最悪。

そうしてるのはおれだけど、

Aもだんだん顔色が暗くなった。

いつもなら軽く流せる。

なんなら、Aの言うように気にもならねぇ。

結局Aにとって俺はそう関係なんだ

って言っても連絡取り合ってるだけだしね。

わけわかんねー

「帰ろうかな」

『え、なんで？もう、新幹線ないよ？』

「ネカフェにでも泊まるわ」

『なんで？』

「自分で考えろよ」

頭に？を浮かべてるAをおいて

鞄を取って玄関に向かった。

俺今すげー面倒くせー奴やってるなー

ってわかっちゃいるんだけど。

でも本当に止められないものは止められない。

嫌なもんは嫌だ

『ねぇー本当に帰るの？私楽しみにしてたのに』

俺の手を捕まえて、顔を覗きながら

そう言ってる彼女はきっとわかっててやってくる。

大事にしてたつもり。

でもそんな、悪びれた様子もなく

こんなことされたら嫌になるって。

「離せって」

『ごめん。謝るから。』

「マジで無理なんだけど」

『もう、なんで。嫌だったとこ言って？ね？』

結局惚れた方が弱い

「彼女から他の男の話ききたいわけなくね？」

『ごめん』

「2度と男の影見せんなよ。」

『きをつける。』

「一本吸わせて」

どうしようもないモヤモヤをかき消したくて

ポケットに手を掴んだ。

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