63 ページ21
・
"俺とAのことしらねーの"
その言葉だけがぐるぐると頭を駆け回っている。
3つあった1つはたくやさん
じゃーあと2つは?
最悪一つはAのだとしよう。
あと、もう1人いるはずなんだ。
こんなこと考えてる時点で
俺は完全にAに惚れてるんよな。
恋なんてめんどくさい。
こうやって頭の中を侵食していくくせに
大事にしてたらこうやって男の影がでてきて
簡単に裏切っていく。
風磨「おつかれぁ〜」
「おう」
仕事のあき時間を潰しに
俺ん家の近くにいるという理由だけで家に来た風磨
「何時までいんの?」
風磨「何?予定あんの?」
「べつにねーけど」
風磨「そういや、本命ちゃんとは?どうなってんの?」
「あー」
軽く話してまだ詳しくは話したない。
「ねぇ、ゆーが浮気してたらどーする?」
風磨「しないから」
「どっからでんだよその自信」
風磨「あいつは浮気しない女だし、
俺も浮気される男じゃない」
「あっそ」
どっから来るんだその自信っておもったけど
つい最近まで俺もそうだったし
あのジッポを見つけなければこんな風に思わなかった。
風磨「浮気されてんの?」
「わかんねーけど」
風磨「真面目だと思ってたら自分より遊んでたってか?」
「いや、わかんねぇーけど」
いや、おそらく風磨の言うとおりだけど
本人から聞いたわけじゃないから
そうじゃないって信じてる自分もまだいるわけで
わかんないって便利な言葉だなってつくづく思う
そうやって現実を曖昧にして目を逸らしていた。
・
2064人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:唯音 | 作成日時:2023年2月24日 22時