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『今更だけど運転変わる?』
「運転できんの?」
『2か月に1回するかしないかくらい』
「事故りそうで怖いからやめて(笑)」
『無事故無違反だけど』
「運転しねーからだろ(笑)」
『そんなことないよ』
「なに?ねみーの?」
あからさまに
目がとろーんとしてきて瞬きが多い。
『うん。大丈夫寝ないから』
「寝ていいよ」
『大丈夫。』
と言いながら数分後寝た。
早(笑)
東京を出てすでに4時間くらい経過していて
時計は23時過ぎ。
腹減ったんだけど。
次のサービスエリアは少し大きめのサービスエリア。
休憩がてらSAに寄った。
後部座席に置いてあったブランケットを
Aにかけると彼女が目を覚ました。
『んー。ごめん寝てた・・・。どこ?』
「SA休憩に寄ったけどAも外出る?」
『んー』
駐車場に止まっているのはトラックばかりで
ほとんど人はいない
2人ででてお互いトイレに向かって
しばらくするとAも出てきた。
『おなかすいたね〜』
寝てただけのくせにすぐ腹減ったっていうじゃん(笑)
「中はいるか」
『大丈夫?』
「この時間だし、人いないし大丈夫じゃね?」
誰もいないお土産売り場。
サンドイッチとか軽食は少しだけ
『ねー!お土産しかないよ』
そう言って俺の腕に手を回した。
あれ?お前酒飲んだ?
距離感バグってるけど?
腕に当たる感覚にドキドキしながら
それでも何もないように平然を装う
『卵サンドにしようかな』
「飲みもんは?」
サンドイッチを取るとき離された腕は
異様に冷たく寂しさを感じた。
『私払うよ』
「いいーよ別に」
『これくらい。いいの』
買い物袋を取って車に戻ろうとしたとき
『あ、樹くん』
腕を引っ張られて入口と反対方向に連れていかれる
『小さいときこういうの集めてた。』
ご当地もののキーホルダー
懐かしいって目をキラキラさせながら見てる
「ほしいの?」
『大人なので大丈夫でーす!』
冷たく冷えた空いた腕の隙間に
Aの温かい体温が入ってくる。
じわじわ温かくる今まで感じたことのない感覚
『運転変わる?』
「まだ生きてたいから(笑)」
『ひどい』
本日車の中で2回目のごはん。
おなかいっぱーいって満足そうな顔
「寝ていいーよ」
『もう大丈夫だもん』
残り時間は2人で話していたらすぐ着いた。
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作者名:唯音 | 作成日時:2023年2月24日 22時