らいおん君が本気の恋をした話【2】 (ページ3)

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22時_______

いまだ連絡こないから

電話でもしてみっかなー

って思ったら珍しい人からメッセージ

たくや引き取りに来い

たくやさんはAと出会ったBarのマスターで

もちろんAとお俺のことを知ってる唯一の人。

たくやさんとAの関係はよく知らないけど

会員制のBarで多分関係は深そう

俺がお待ち方をしようとしたときも

だいぶ止められた。

懇願してやっとお持ち帰りできたわけで

俺にとってAのパパみたいな

Aに変なことしようものなら

たくやさんに何されるかわからない。

樹すぐいきます

こっち来てたんだ。

言えよ…

幸い仕事も終わったところで

車に乗って向かう。

重い扉を開けばカウンターで

だらっとして泣きそうな顔してお酒を飲んでるA

あの日と一緒。

ひとつだけ違うのは

入口から入ってきた俺をみて

たくやさんが隣座れって目線を向けたことだ。

「お姉さんひとり？」

『じゅいくん…？』

「なに飲んでんの？」

『ほっといて…』

あの時と一緒。

違うのは俺を認知してるってそれだけ。

俺の前に差し出された烏龍茶。

「A」

髪を撫でれば目を瞑る

「悲しいことあった？」

そう聞くと一気に溢れ出てくる涙

『あった』

「ん。」

『でも私が泣いちゃだめ』

「悲しい時には泣いていいよ」

『だめなのそんな資格ない』

そう言って目の前にある酒をぐっと飲み干して

たくやさんにもういっぱいってグラスを渡した。

「A」

『なんで助けられなかったんだろう。』

『なんでこんなに無力なんだろう。』

そう言ってまたお酒に溺れていくんだ。

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