らいおんくんが本気の恋をした話 (ページ28)

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樹くんが起きてきて

ご飯を食べてる。

ずっと見ていたいお顔だけど

さすがにそういうわけにもいかず

することもないから

少し溜まっている洗濯物を回す。

　
なんかバスタオル多くない？

リビングに戻ると

樹くんはソファーを背もたれに携帯を触ってて

流し台には食べた後の食器が付けられてた。

さっと食器を洗うともうすることはない。

ソファーに腰掛けて携帯を触るふりをしながら

チラッと彼を見ればゲームをしているっぽい

と、いうか手ぶらできていた彼は

どっから持ってきたのかわからない

スエットを着ていて、確実に私のでもない。

「A」

『ん？』

「あたまいたくねぇーの？」

『うん。なんで？』

「2日酔い」

『二日酔いしないよ』

「記憶あんの？」

『途中まで』

「どこ？」

『2本目か3番目取りに行った時くらい』

「だいぶ序盤(笑)」

めっちゃ弱いんだねって笑われたけど

みんなそんなもんじゃないの？

朝起きたら、昨日こんなに飲んだんだって

後から気づくパターンが当たり前

でもちゃんとベッドで寝てて

失敗という失敗はしたことない。

『え、私変なことした？』

「変なことっていうか」

『なに？』

「べつに、今月末の土曜家いる？」

予定表を見るの日勤だ

『夜はいると思うけど』
「くるわ」

いつもいきなりだから

予告されるのははじめて
　

『なんで？』
「Liveでこっちいるから夜ラジ終わったらくるわ」
『それ何時？』
「一時過ぎじゃね？」
『寝てるよ…』
「起きてて」

それだけ言ってスウェットから

昨日着てた服に着替えて

スウェットを当たり前のように

洗濯カゴに入れた。

『その服なに？どーしたの？』

「俺の泊まり用置いといて」

『え』

「じゃー仕事行くわー」

今日帰ってくるの？

ってくらいラフな声かけで

『いってらっしゃい』って言ってしまいそう

『気をつけて』

それだけ声をかけた。

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