らいおんくんが本気の恋をした話 (ページ23)

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飲み終わったらキッチンへ

新しい缶を取りに行き、

空き缶がすでに３つくらい溜まってる

「いつも晩酌してんの？」

『毎日ってわけじゃないけどほとんど』

「酒好きなんだね」

『べつに』

「そんだけ飲んでて？」

『お酒飲むと全部忘れられるから』

そう言いながらまた腰を上げて

新しい缶を取りに行く。

あんま酔いすぎんなよって思いながら

明日休みって言ってたし別に問題ないか…

なんて思いながらもさすがに…

「A」
『んー』

ローテーブルに体を預けて

返事にもならない返事

握られている缶を奪うと体を起こす。

「もーやめとけ」

『やだ、返して』

そう言って俺になだれ込んでくる

酔うと距離感バグるのは

あの時だけじゃないんだね。

「明日頭痛くなるよ」

『二日酔いしないもん』

「A！」

『おねがい。全部忘れたいの』

この前も言ってたよね。それ。

お酒で忘れられるなんて数時間だけでしょ

お酒に溺れる彼女

見てて痛々しい

ソファーに座る俺とソファーとテーブルの

間に座ってたA

お酒を取ろうとなだれ込んだAは

俺の肩からサラサラと落ちていき

俺の膝に頭を乗せる

『返して』

全く届いていない手は本当に奪う気は

あるのだろうか…

「ちょっと休憩しろって」

お酒をテーブルに置いて彼女の隣に座ると

俺の肩に頭を乗せて手を絡めてくる。

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