想いは煙草の火と共に (ページ10)

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和「よっ」

「お疲れ様です」

和「何か顔色悪いじゃん」

「胃もたれしてて」

和「食べすぎ？」

頷くと、あははと笑われる。

和「今日水だけ？」

「うん」

和「何か食べた方がいいでしょ。来て」

　

二宮さんに付いてエレベーターに乗ると、二宮さんは会長室と社長室もある役員のフロアを押した。

え、何しに行くの。

チンと到着音がしてエレベーターが開く。

他のフロアよりも堅い雰囲気の中をスタスタ歩く二宮さんを追いかける。

突然個室の前で足を止めてノックもせずに入っていく。

和「翔ちゃーん」

櫻「おお、ニノ」

　

あ、櫻井さん。

櫻井翔さん。うちの会社の未来の社長といわれてる人。

…二宮さんと櫻井さんて仲良いんだ。

櫻「どしたの？」

和「こいつ胃もたれしてるから何か胃に優しい食べ物ちょーだい」

櫻「それなら智くんの方が蓄えてそうだけど……あ、ヨーグルトあるよ」

冷蔵庫の中を見てた櫻井さんの手にはヨーグルト。

和「食べな」

「すみません、ありがとうございます」

櫻「全然」

こうして面と向かってちゃんと喋るのは初めて。

…モテそうな人だなあ。

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