お前らに愛なんてある訳ねぇだろ 4 【ブルーロック】

146 ヒーローになってた者 ページ3

きっと他の人達なら気付かなかった、エゴを失ってしまった俺だから分かったのかなって思っちゃった
きっと自分と似てたから可哀想だなと思ったんだ



「なんで助けを求め無かったんだよ！！」
なんで俺はそんなことを言ったんだろう、ワインを頭から被った時。確かに酒のせいというのもあるけどもっと根本的ななにかがある
俺はいつから可哀想から大事にしようという考えになったんだろう


これは恋じゃない。きっと、








「まだAちゃんが俺みたいになってないからだ」
どこか心の中で諦めてしまってる俺と、そうじゃないAちゃん
辛さはAちゃんの方が上だ。でもそれでも俺みたいになって欲しくない、このままでいて欲しい



「俺は結局自分のようにさせたくなかったから行動してただけ、俺のワガママでエゴ」
ここはどこまでのエゴに満ちていて、俺もどこか変わってしまった気がする




「あー、俺ももっとAちゃんのために「なってたと思いますよ」……え？」


「Aがなんでこんなことを世間に言わなかったか、貴方達みたいな人達がいたから未来を壊したくなかったからだと思います」
「みんなが同じ考えだったらすぐにAは言ってます」
クマを目の下に抱えている彼の瞳は真っ直ぐで、正にヒーローというものだった







「そうかっ」


「俺は、Aちゃんの為になってたんだな」
力が抜けて、床に座り込んでしまった。その時見た天井はかつてワインを被った時と同じものだと今更気付いた








「早くスマホを渡せ」
無機質な声が響き渡る。バレてしまった




「よぉ、絵心サン」
「お前らは踏みにじったんだな」



「踏みにじった？」
「あぁ、Aはお前らに迷惑がかからないようにあえてなにも言わなかったのにお前らは善意で勝手に世間に公表した」

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