お前らに愛なんてある訳ねぇだろ さん 【ブルーロック】

138 約束とエゴ ページ45

蜂楽を避けた後俺とAがすれ違った
彼女は一瞬だけ振り向き、憐れむように笑った。笑ってはいるけどどこかつまんなさそうな
そのような表情を見て俺はポキッとなにかが折れた








初めての挫折だった



あ、そもそも相手にされてないんだって。流れていた汗が一気に冷たくなったような気がした。
もうAに勝てる気がしなかった、たったあの一瞬でそう思わされた
きっとこの先も一生挫折なんかしない、それは言い切れる
俺は自分でも天才だと思っていた節があった、それが本当なのか分からなくなった




これ以上考えたら自分はもうダメになるって分かったから一旦思考を停止した
だけど停止したその時に







「凪誠士郎、御影玲王交代です」
そうアナウンスが聞こえた


玲王が寄ってきた、フラッと芝生に尻もちを着いた
玲王も天才だ、全てにおいて。玲王なら勝てるかもしれない、いや勝って欲しい
けど、そうしたら俺達はもう対等で居られなくなる。






「玲王、俺まだここで終わりたくないよ……」







流れたそれが汗か何なのかは分からなかった
玲王は信じきれないっていう顔をしてた、俺よりも才能がある玲王。対等では居られなくなるかもしれない。けど玲王が世界一なら俺はいい
自分達の考えが正当化されるなら、対等とかどうでもいい





「玲王、れおが世界一になってね」
普通の俺じゃない、そんなこと分かってる。こんな弱ってる自分を見るのは初めてだ





「2人で世界一になるんじゃねぇのかよ」
俺だってそうしたかった






あー


才能ってなんだろ





凪side終わり
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



「きれいっ」
そう誰かが言った瞬間、私はシュートした
誰にも聞こえないくらいの声、そんな声で私はいつも嬉しくなる





人を大切に出来ない奴らはフィールドに立たないで欲しい、でもそれでも立つって言うなら私がアンタ達をぶちのめす
本当の世界一にはなれないって教えてやる





「蜂楽廻、潔世一。交代です」
「潔、頼んだよ」
「あぁ」





やっと来たか、潔世一

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