あばたいむず.【AVNTIS】

. ページ37

ぎゅっと目を瞑っていたけどまた殴られた感じがしないし、少しばかり鈍い音がしてうっすら目を開けた。








目の前には倒れている先輩。








.









目の前に拳握って立ってた、赤髪。







「えーちゃ、」




エ「お前なにしてんの」




優「ちっ」




優「お前いいのかよ、俺に暴力ふるったこと言いふらしてやるよそしたらお前はYouTuberとして終わりだよな」





きっとえいちゃんに殴られたのだろう。頰が腫れている。
只それにも関わらず、余裕そうな笑みを見せて言った。





エ「その手離せ、お前動画取られてたの気づかなかった？今すぐにでもTwitterでもなんでも拡散できるけど」





えいちゃんは携帯の画面を見せつける。






エ「お前さぁ、外面はいいんだからこんなん広まったら終わりじゃね？」




優「…っ」




エ「わかったら二度と、二度とAに近づくな」







そういわれた先輩はすぐに走って逃げた。




座り込んでいた私にゆっくりとえいちゃんが近づき私の顔を覗き込むようにえいちゃんも座った。





「えーちゃ、」





言葉が出ない。




冷えたえいちゃんの手が私の頰に触れた。






エ「怖かったでしょ、ごめん」






なんでえいちゃんがそんな顔するの。





そんな、泣きそうな顔で言わないでよ、えいちゃん。




こっちだって涙止まらなくなっちゃうじゃん。







エ「もう大丈夫だから、もう心配しなくていいから、大丈夫、大丈夫だよ」






「っあ、ごめ、ん、なさ、い、」








ぎゅっと私を引き寄せると頭を優しく撫でながら強く抱きしめてくれた。

【お知らせ】作者より→←.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す