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「ソラの笑顔、なんか薄っぺらくて気持ち悪い。」











あれ?確か私は、笑顔がかわいいね、なんて言われて、この人と付き合ったんじゃなかったっけ?
目の前で発せられた言葉の意味がわからず、ただ、立ち尽くす。








「……別れてほしい、いいよな?」








うん、とだけ呟くと、ほら、俺のことなんて全然好きじゃないんじゃん、と笑われる。
好きだったよ、の言葉が出ず、心の中が真っ黒になっていく。




チャイムが鳴っても、その場から動くことのできない私は、ポケットにある、キャラメルを舐めた。



















「……あっ。」







旧校舎の音楽室。至って真面目、ではない私の安息地であるグランドピアノの丸椅子には、先約がいたようだ。








「……ピアノ、使いますか?」








こちらに向けられたまんまる、とした硝子の様な瞳に、控えめに頷く。どうぞ、と言われた椅子には、彼の暖かさが残っていた。








とん、とん、ピアノの弾けない私は鍵盤を指で押す。当たり前のように、音が返ってくることがなんだか嬉しくて、こどものように鍵盤を叩いた。







ドレミファ、一つずつ鳴った音が一周する時、モーツァルトの絵が笑った。

……正しくは、モーツァルトの肖像画の下に居る、名も知らぬ彼が。











「ピアノ、弾けないんですか?」





なんだか少し馬鹿にしたような言い方にムッとして、弾けないですが好きなんです、と返す。なんで?と聞かれて、何だこの人は、と思い、なんでも!と適当に答えた。










「あはは、僕も好きなんです、ピアノ。てっきり、めちゃくちゃ上手に弾くのかとおもったから、」





堪えられない、といったふうに笑い出す彼に、少しだけつられて笑みが溢れる。







「猫ふんじゃった、は?弾ける?」









「……弾けません!」









私の言葉に、ほんとに面白い、と名前も学年も知らない彼の、まんまるの目をきゅっと閉じた笑い方に、少しだけ胸が高鳴った。

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グラ(プロフ) - むさん» むさんコメントありがとうございます〜!文才のない中で頑張ってます……お言葉とっても嬉しいです❤︎ドギョムのお話、まだ続きますのでよかったらまた覗いてあげてください❤︎ (2023年2月15日 15時) (レス) id: 10714f47f3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 主様の文章、とっても素敵で更新されるたびすぐに読んでしまいます!お忙しいとは思いますが、更新これからも楽しみにしてます💗(석ペンなので今のお話とっても展開楽しみです!) (2023年2月9日 1時) (レス) @page42 id: cb9ba72967 (このIDを非表示/違反報告)
優花(プロフ) - グラさん» おおそうなんですか!楽しみです💞💞他の話も全部面白いですし本当に楽しみにしてます! (2023年2月4日 10時) (レス) id: 622f8d2ae2 (このIDを非表示/違反報告)
グラ(プロフ) - 優花さん» コメントありがとうございます〜〜!!初めてもらったコメント……すごく嬉しいです……🌙ジュンくんのお話、個人的にも気に入っているので、中編集が終わり次第番外編書こうと思ってます!またその時は可愛がってあげてください❤︎ (2023年2月3日 23時) (レス) id: b1b8e6b90b (このIDを非表示/違反報告)
優花(プロフ) - ちょっとしたリクエストのようなものなので軽く流していただいて構いません。次の更新も楽しみにしています! (2023年2月2日 0時) (レス) id: 622f8d2ae2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:グラ | 作成日時:2023年1月28日 12時

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