風味絶佳 (ページ6)

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「ジヨンいる？」

休み時間、すっかり親友となったジヨンとお菓子の交換をしていると私の背後から低い声でジヨンを呼ぶ声が。

「あ、ウォヌどうしたの？珍しい」

「いや、コンパス持ってない？忘れたから借りようと思って。」

なるほど、この人が幼馴染さんか〜と見ているとふと目が合う。

「ソラ、この人がチョンウォヌ。前に話したことあったよね？」

「あ、うん。はじめまして、ソラです。」

「はじめまして、チョンウォヌです。
日本から来た子だよね？ウォヌでいいよ、よろしく。」

「あ、はい、こちらこそよろしくお願いします。」

そう言ってお辞儀をして挨拶を済ませると、2人が楽しそうに話しだすのでなんだか勝手に嬉しい気分になる。

「おい！ウォヌ！お前なに抜け駆けしてんだよ〜」
　

「スニョンまじで声のボリューム考えて……。」

前のドアから聞こえた大きな声に目を向けると、スニョン、と呼ばれた彼はにこにこ、効果音が出てきそうな笑顔でこちらへ向かってくる。
満月のような金髪がぴょんぴょん、歩幅に合わせて揺れる。

ジヨンやウォヌくんの言葉にコロコロと色を変える表情に釘付けでいると、いつの間にか会話のターンが回ってきていたことに気づく。

「ソラ、コンパス持ってる？」

その言葉に慌てて筆箱を漁ると、ふざけて貼った缶コーヒーのシールが貼られたコンパスの入れ物が出てくる。

「ソラさん、よかったらそれスニョンに貸してあげてくれない？」

「あ、うん、全然大丈夫ですよ」

「ははっ、敬語じゃなくていいよ。」

上の方から聞こえるウォヌくんの声に、これがジヨンの言ってた特徴的な笑い方か、と思ってコンパスの箱を机の上にぽん、と置く。