風味絶佳 (ページ50)

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「どう？ここ、俺のお気に入り。」

スンチョルさんが連れてきてくれたのは、プラネタリウム。久々に来ました、と言った私に、そうなの？とスンチョルが目を丸くする。

「ソラちゃんのチャット、アイコンが宇宙だったから。てっきり好きなのかと思った。」

「ああ、あれは、特に設定する画像がなくて。友達が送ってくれた写真なんです！」

思い出すのは、頼んでもないのに送りつけてきたミンギュに、アイコンにしたんだ、と話した時の嬉しそうな笑顔。ソクミンと、今、尻尾が見えた！って笑いあったなぁ。

「友達って、」

途中まで言いかけてから、苦虫を潰したような顔で唇を噛むスンチョルさんに、どうしたんですか、と聞く。

「……ううん、なんでもない。ディナーまで、少しだけだけど楽しもう。」

プラネタリウムの座席に、窮屈そうに座る彼に、狭そうですね、と笑うと、スーツだしな、太ってるわけじゃないぞ、と焦り出す。

「これ、外したら、結び直してくれる？」

背広を脱いで、ネクタイを指差すスンチョルさん。

「あんまり上手じゃないですけど、それでもよければ、」

「知ってる。よく廊下で、営業の子のネクタイ結んであげてるの、何回か見た。」

「ああ、ソクミン。大学からの友達、なんです。」

「………やっぱり、これ、緩めて。解いて、終わったら、また、結び直してよ。」

一度外しかけたネクタイを、もう一度締めたスンチョルさんが私を見つめる。

だんだんと暗くなる館内の中で、きらり、と光るスンチョルさんの瞳から目が離せなくなって、社長命令ですか、と聞く。

「うん。そうしたら断れないの、知ってるから。」

少しだけ強引に、でも優しい手つきで、私の手を自分の首元に寄せる。

ソクミンのネクタイだって、結んだことはあっても解いたことなんてない。なるべく、彼の魅惑的な首元に触れないように、ネクタイをしゅる、と緩めていく。

「意地悪な社長ですね。」

ドギマギしながらネクタイを触る私を、挑発的な目で見るスンチョルさんにそう言うと、そんな社長に着いてきたのはソラちゃんだよ、と笑う。

首元から香る、色気を振りまく香水と、囁いた彼の熱っぽい吐息が当たって、より意識してしまう。

〜〜〜〜〜〜〜すみません、途中なんですが、いっぱいになっちゃったので移行します！沢山のハート、ありがとうございます❤︎