風味絶佳 (ページ40)

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「ソラちゃん、結局どこに決まったんだっけ？」

ご飯をもぐもぐ食べながら、眩しい笑顔で私に聞くソクミンに、xx株式会社だよ、ベンチャーだけど、すごく印象が良かったんだ、と伝える。

クビにならないように頑張れよ、なんてまた小馬鹿にしてくるミンギュと小競り合いをしていると、ソクミンの本当に？という言葉を聞いたが最後、ガタッと音をたてて立ち上がったソクミンに抱きしめられる。

「………ソクミン、どうしたの、」

普段、どこぞのミンギュとは違って気軽に触れてくるような人じゃない為、驚いてされるがままの私は、ソクミンの返答で腰を抜かすことになる。

＂俺も！俺も、その、会社！＂

話をよく聞けば、彼は既に内定をゲットしていたらしい。私は勤務地限定採用で、ソクミンは全国社員での採用だから、同じ部署ではないのは明らかだったけど、それでも、知っている人が4月からも一緒、というのは安心の材料にしかならなくて。ましてや仏のように穏やかで優しいソクミンなら余計。

「本当に嬉しい、やった！」

「俺もまさかソラちゃんと一緒だと思わなかったよ〜！え〜、改めて、4月からもよろしくね！」

お互い満面の笑みで、ソクミンと固い握手をしていると、不機嫌そうなミンギュと目が合う。

「2人とも、俺を除け者にして〜……」

また3人で集まろうね、というと、当たり前でしょ、とくしゃくしゃにしたミンギュ笑顔。