風味絶佳 (ページ22)

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「大丈夫ですよ、いらっしゃいませ。」

今日は1人じゃないんだな、なんて思いながら新聞を閉じて立ち上がると、絵に描いたように綺麗な顔の男性に見つめられる。

小人くんの知り合い？とは言え、じっと真顔で見られるのはなんだか怖くておずおずとお水を置いて退散しようとすると、あの、と掛けられた声。

「僕達のこと、知ってますか？」

？どういうことだろうか。
予想外の質問に、困惑の色が顔に浮かぶ。
私を見つめる綺麗な顔の男性。横にいる金髪の彼、も、見たことがないし、小人くんも素性を知るほど話したことはない。

「そちらの方は何度かここでお見かけしてますが……。」

小人くんを見ながら恐る恐る堪えると、どこかほっとしたような安堵の表情。

「良かったです。僕達、表舞台に立つ仕事をしてて。
こう、騒ぎになると、迷惑がかかっちゃうと思って。」

伏せられた睫毛の濃さやスタイルの良さに、どことなく納得して、そうなんですね、とだけ呟く。

「メニューが決まったら、また呼んでください。」

「あの、今日の日替わりのおかずって」

「あ、すみません。今日は酢豚です！餡が多めなので、身体があったまると思いますよ〜。」

完全に忘れていた日替わりの説明を済ませると、おじいちゃんが寝ていることを思い出す。
居間でぐーすか、呑気に寝ているおじいちゃんを起こすと、厨房に入りながら、こりゃえらい美男子が食べにきたもんだなぁなんて小人くんたちと話し始めた。