風味絶佳 (ページ17)

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俺の毎日の楽しみが〜、と項垂れるスニョンくんの服を控えめに引っ張る。

折れた茎が散乱している花壇の中、逞しく、元気に咲いてる黄色のガーベラ。
花壇を指差して、このお花、スニョンくんみたい、と伝えると、俺こんなに綺麗じゃないよ、と目を細めて笑う。

「ううん、これはスニョンくんだよ！」

何も分からない異国の地で、初めて見つけた私の太陽。
何度もその優しさに掬われて、笑顔に見惚れてきた。
だから、散々な花壇の中でこちらに笑いかけるように咲く、このガーベラがスニョンくんみたいに見えるんだろうな、なんて思う。

「じゃあ、この周りにもう一つ植えないと。ソラちゃんの分。近くに咲いてもらわないと俺が困るから！」

予想外の言葉に、ニヤケ顔でガーベラを見つめることしかできない私に、スニョンくんは、でもそうなるとウォヌとジヨンも仲間に入れてあげないと拗ねるだろうな〜。なんて呑気に独り言と戯けている。

もし咲いたら一番に教えて！と優しい笑顔でガーベラを見つめるスニョンくんに、勿論、と伝えて幸せに浸る。

朝練に向かうスニョンくんに手を振り、片付けを済ませたら、少しだけ都合のいいように捉えた言葉に期待して、ガーベラの真横に苗を植えた。

この花が綺麗に咲いたら、スニョンくんは喜んでくれるだろうか。