風味絶佳 (ページ16)

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朝日を後ろ背に、いつもより随分早く到着したオアシスには、見慣れた後ろ姿が。

私の呼びかけに、お！おはよう、なんて振り向く太陽の如き彼。
たったそれだけでなんでもない花壇横のベンチが眩しく見える私、これもこれで重症だ。

「スニョンくんおはよう。朝練は？」

「んー、もうちょいしたら始まるんだけど、心配でさ。多分ソラちゃん早く来るだろなと思って！」

「そっか、ありがとう。私も、花が心配で早起きしちゃった。」

「昨日予報通り、嵐すごかったもんな〜。うるさくて全然寝れなかった！」

幼気な笑顔を横目に、私はスニョンくんのせいで寝れなかったよ〜なんて心で呟く。

「あはは、うちの家も窓がすごい揺れてた。」

「だよな！まじで今日休校になんなくて良かった！」

荷物をスニョンくんの横に置いて、寒さに負けじと袖をまくる。
スニョンくんにも手伝ってもらって、重石を運んでいく。
ビニールに溜まった水滴を抜いたら、無事なはず。

そんな思いも虚しく、端っこに植えてある花たちは残念ながら茎ごと折れたり、はたまた飛んでいってなくなってしまったりしていた。

「……さすがに全部無事ではないか。」

「そうだね、しょうがないよ。むしろ思ったより残ってる花が多くてびっくりしてる。」