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もうどうしたらええんやぁ……
大倉とも、すばるくんとも気まずいって凄い嫌やねんけど。大倉の気持ちも嬉しかったけど、やっぱり好きなのはすばるくんで。
大好きなお兄ちゃんだけど、1番手に入れたい人。
前、学校の先輩が、大学生になったら、合コン超参加して毎日女の子お持ち帰りしたいわ〜なんて言ってたけど。すばるくんもやっぱり女の子が好きなんかな。
じゃあキスしたのはなんやったん??
聞こうかな。
20分くらい葛藤した挙句、すばるくんの部屋へ行った。ノックをすると、はーいと返事がきた。
「……すばるくん、俺やけど」
「……おお、どーした」
やっぱりキスしてキス未遂だったお兄ちゃんとか気まずいしかないんやけど。ほんとの気持ち聞かんとやっぱり納得なんて出来へんし。大倉だって多分頑張って勇気出して言ってくれたんやから。
「話したいことあるんやけど、入っていい?」
「……おん、入りな」
おずおずと入るとすばるくんは椅子に座ってて携帯いじってて、俺はすばるくんのベッドに腰掛けた。
久しぶりに入る部屋は、すばるくんの好きなギターとか、バンドのポスターとか、彼の匂いとか。
一気に幸せな気分になった。
「久しぶりにお兄ちゃんの部屋入ったわぁ」
「お兄ちゃんって何やねん笑」
「ふふ、よんでみたかったからぁ」
小さく笑うとすばるくんも笑う。その顔、好き。
息を吸って、言う。
「………聞きたいこと、あんねんけど。
なんで、俺にキスしたん??」
聞かなきゃ良かった、なんて今更。
10秒くらいの沈黙も何分間かに思えるほど。
え?欲求不満やってん笑笑
別にキスとか誰とでもするやろー
とか言われたもんなら、俺立ち直れない…!!!
キシ、と音がして隣を見ると、やっぱり近づいてきたすばるくん。
試すように、悪そうに笑う。
「……なんでやと思う?」
近すぎる距離と、普段の彼からあまり想像がつかない香水の香りで俺の頭は真っ白になって。
「俺の事、好きやからちゃうんっ…?」
何言ってんだ、と自分で気づいたのはその言葉にすばるくんが楽しそうに笑い始めた時。
ちょっと待って、これめっちゃ自意識過剰……!!
「な、なんて〜、すばるくんがそんな訳…」
「そーだよ。」
すばるくんの顔が近づいてくる。
「って言ったらどーする?」
笑う。甘い、香り。クラクラする。
キスしそうでしない距離。
我慢できず俺はすばるくんの唇を奪った。
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雨悠(プロフ) - 越。の続きも読みたいです!やすばも胸が苦しくなりました、とても素敵でした!次も楽しみにしています! (2020年8月22日 6時) (レス) id: de14c26198 (このIDを非表示/違反報告)
雨悠(プロフ) - 恋の醍醐味続き読みたいです!!! (2020年8月22日 5時) (レス) id: de14c26198 (このIDを非表示/違反報告)
jp8727(プロフ) - クエン酸さん» ありがとうございます。私もやすばが大好きなのでそう言っていただいて嬉しいです。 (2020年7月4日 23時) (レス) id: 8f8546bc9c (このIDを非表示/違反報告)
クエン酸(プロフ) - とても素晴らしい作品でした。あの頃のやすばが懐かしく儚く今でも鮮明に覚えています。今はもう見れないであろうやすばに涙が込み上げてきます。ありがとうございます。 (2020年7月4日 14時) (レス) id: 81f31e46e4 (このIDを非表示/違反報告)
蒼乃碧(プロフ) - 素敵なやすばをありがとうございました。優しく、懐かしい世界。目の前に情景が浮かぶようでした。 (2020年6月6日 12時) (レス) id: b2e7866667 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーる | 作成日時:2020年6月2日 21時