やすだ短編

・ ページ4

今、ヤスが隣で寝とる。ぐっすり。
俺の肩に頭を置いて。







少しずらして顔を見ると、変わってないあどけなく可愛い寝顔。はるか前、俺のものだった寝顔。





自分の人生に後悔したくない、と大好きで大事だった関ジャニから自立した。必死に音楽を学んでいつも必死で伝える。関ジャニを懐かしむことは多いけれど、後悔は全くない。




ただ1つ後悔してることがある。


こいつを手放したこと。



週末のデート。お泊まり。映画館、2人で分けたポップコーンもヤスがしばらく出てこないレディースの服屋で服を見ているヤスの顔。朝裸で抱きついて眠る幼い顔。たまに俺より早く起きた時の、味噌汁出来たで早よ起きぃやーっていう声。




全部、全部消せなくて。
でも俺もうすぐ40やで。


だから、決めた。ちゃんと告白して終わらそうと。
いつまでも引きずって行くのは嫌だし、もしヤスが結婚したら笑って祝福してやれるくらいになりたい、ヤスのためにも。


でも今彼女がいたら、告白しない。
飲みの途中で聞いたヤス最近どーなん？って茶化したように聞いた俺に、何にもあるはずないやーんって笑って答えたヤスにやっぱり俺は勇気を出しきれなかった。





しかし今に至る。隣で眠ってるヤスは酒飲みすぎでいくら声掛けても起きないし、家知らんし、もう俺ん家に連れて帰るしかないか…って溜め息着いたけど、本当の俺が嬉しいくせに、って言ってる。




タクシー代を払って、起きないヤスを抱えた。
俗に言う、お姫様抱っこ。恥ずい。なんこれ。

でも抱えたヤスがあまりにも軽くて、痩せたよな大丈夫かなって心配になったりした。

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す