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家に着くと。
…案の定、荷造りしているヤスがいた。
多分俺が今日帰ってくるとは思ってなかったんだろう、俺を見た途端すごく驚いた顔をした。
次の瞬間。
「……………ごめんなさい」
ヤスが涙を流しながら俺の前で土下座した。
何回も何回も、ごめんなさい、と言いながら。
胸が痛かった。
そんなの、どうでも良くなったのに。
こんなに愛しいと思える人、嫌いになれる訳ない。
「ヤス、顔上げて」
俺はヤスの前に座って、ヤスの頬に流れてる涙を拭った。
「自分勝手でごめんやけど……俺はお前がおらな生きていけへんの。利用したいんなら好きなだけしたらいいけど……頼むからここにおってくれへんかな。
…………いや、出てったら許さへんよ。」
ヤスが俺を見た。また顔が歪むけど、泣きそうになってるのを堪えて、でも堪えられてないんだけど一生懸命言葉を綴ってくれた。
「俺ね……実は、捜査のためにたっちょんに近づいて、利用した。バーであったでしょ?隣に座ったのも、偶然じゃないよ。本当は友達くらい近い距離になって、家遊び行って情報だけ掴んで来いって言われてた。だから、まさか恋人にはなると思ってなくて」
あの日、隣に座ったのを運命だと思った。
どの女性よりも大事に、慎重に口説いていたつもりだった。
「でも……初めから、ずっとあなたのかっこよさに惚れてたんよ。優しくて、暖かくて…素直で。男なのに、あんなに大事にされたことなんてなかったから……付き合った時罪悪感しかなくて。」
思えば、付き合って始めらへん、やすの態度はよそよそしかった。付き合ってるのに、踏み込んじゃいけないような。でも俺はお前を誰よりも大事にしたよ。
「多分……どんどん俺の方が好きになっていって……離れたくなくて。でも、あんな裏切るようなことして本当にごめん…ごめんなさい…」
また泣きそうになったヤスを思い切り、抱きしめた。
「前のことは、もういいよ。俺はヤスが大好きだから。だから、これからの事は2人で考えさして。
……とりあえず今、俺はお前のこと触れたくてしゃあないの。いい??」
ヤスは、今日何度流したか分からないくらいまた泣いて、俺はヤスを抱きしめた?
先のことは分からない。でも、俺はお前と一緒に居れるなら悪にでもなるし、地獄にでも落ちるから。
終
終わったけど、出会う前のお話とか続編書いていこうかな〜なんて思ってます。まだ分かりませんが笑
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雨悠(プロフ) - 越。の続きも読みたいです!やすばも胸が苦しくなりました、とても素敵でした!次も楽しみにしています! (2020年8月22日 6時) (レス) id: de14c26198 (このIDを非表示/違反報告)
雨悠(プロフ) - 恋の醍醐味続き読みたいです!!! (2020年8月22日 5時) (レス) id: de14c26198 (このIDを非表示/違反報告)
jp8727(プロフ) - クエン酸さん» ありがとうございます。私もやすばが大好きなのでそう言っていただいて嬉しいです。 (2020年7月4日 23時) (レス) id: 8f8546bc9c (このIDを非表示/違反報告)
クエン酸(プロフ) - とても素晴らしい作品でした。あの頃のやすばが懐かしく儚く今でも鮮明に覚えています。今はもう見れないであろうやすばに涙が込み上げてきます。ありがとうございます。 (2020年7月4日 14時) (レス) id: 81f31e46e4 (このIDを非表示/違反報告)
蒼乃碧(プロフ) - 素敵なやすばをありがとうございました。優しく、懐かしい世界。目の前に情景が浮かぶようでした。 (2020年6月6日 12時) (レス) id: b2e7866667 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーる | 作成日時:2020年6月2日 21時