90 グロ？ ページ5
ようやくやる気に火がついたらしい『狐』の猛攻撃が始まる。
バリアを尖らせて敦を突き刺そうとする。
その全てをすんでのところで躱しても、また次がやってくる。
本人は前に出ずに能力を駆使する戦闘スタイル。
敦はこれに芥川のやり方に近いものを感じたが、1つだけ決定的に異なる点がある。
芥川の黒布は有限だが、『狐』のバリアに制限はない。
また、黒布は虎の爪で裂くことが出来たが、バリアはそうもいかない。
それでも敦はバリアの猛攻を掻い潜って『狐』に近付く。
バリアは針のように細く、鈍器のように重く、紙のように薄く、姿を変えて敦を襲う。
狐「ほれ、逃げるだけでは何も始まらんぞ。
虎の子は、虎の威を借るだけの塵なのか？」
そして喉を鳴らして笑う。
分かりやすい挑発だ。
そんなものに乗ってやるほどの余裕はない。
不自然でないように、確実に、殺される。
そのタイミングを敦は伺っている。
不意に隙が出来た。
敦と『狐』との間に、バリアが全くない空間が出来た。
敦「うおあああああ！！」
バリアの合間を縫って『狐』に接近、そのまま拳を振りかぶって、
狐「ふっ、くふ、くはははは！！
愚かよのう、虎の子よ！」
虎の爪を『狐』に突き立てることは出来なかった。
気付いたときには、『狐』のバリアが敦の腹に突き刺さっていた。
途端に溢れる鮮血。
視界が歪み、立っていられなくなる。
耳鳴りがし始めたところに、『狐』が優しく問い掛ける。
狐「虎の子よ、お主、そもそも我を祓おうなど微塵も思うておらなんだな？」
敦「っ、なんでそれを、」
辛うじて絞り出した敦の疑問に、当然だとでも言いたげに『狐』は言う。
狐「我らは瑛藍の一部にして『稲荷姫』の異能であるから、この世界の住人でない者のことは把握している。
我らは本来、瑛藍の所有にあるのだ。
だから『稲荷姫』の思惑通りに動くのも癪に触る。
少し遊んだらちゃんと殺してやろうと思うておった」
『稲荷姫』の思惑通りに動くのは癪？
何を言っているのか分からないが、どうやら『狐』は自らの意思で敦を刺したらしい。
何はともあれ、これで元の世界へ帰れる。
敦は最期に、バリアに囲われた五条に笑いかけた。
敦「短い間ですがありがとうございました。
伏黒くんたちにも、ありがとうって伝えてください」
そして口の端から血が溢れる。
敦は空気に溶けるように消えていった。
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水街 - これにて終演、また来世！楽しみに待ってくださっている方がもしいたのなら、最後まで書けなくて申し訳ございません。多忙ゆえ体力が限界です。 (1月20日 21時) (
レス) id: 2750b03dd8 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - 続けていただけて嬉しいです...！無理はせず、自分をお大事にしてくださいね。更新、楽しみにしております。 (7月20日 21時) (レス) @page16 id: fa8f980323 (このIDを非表示/違反報告)
葉桜 桜 - 面白いです！早く続きが見たいです！楽しみに待ってます！ (2023年3月27日 14時) (レス) @page15 id: 61dac77b6e (このIDを非表示/違反報告)
千月(プロフ) - 面白すぎるんだが？続き待ってます！ (2022年4月23日 10時) (レス) @page14 id: c920434a9e (このIDを非表示/違反報告)
水街(プロフ) - 夢女子S氏さん» えっっっっっありがとうございます！！！！！！推し一緒てことは趣味が似てるんですかね、、嬉しいですありがとうございます頑張ります！！！！泣 (2021年8月9日 20時) (レス) id: 17a12418a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水街 | 作成日時：2021年4月17日 22時
