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五「どうする?やめる?」

五条の呼び掛けに、足を一歩踏み出す敦。

敦「こんなところで、やめる訳がない!!」

力強く、立ち上がる。

石畳をしっかりと踏み締めるその脚が、靴を破って虎のものへと変わる。

宝石のような瞳がいっそう強く輝き始める。

五「いいね、僕好みのイカれ方だ」

そんな敦に、喉を鳴らして笑う五条。

対してわざとらしく溜息を吐く『狐』。

狐「まったく、死にたがりほど卑しい者はないな」

敦は再び『狐』に焦点を当てる。

バリアで防がれるならば、そのバリアをも破るまで攻撃を続ければ良いだけの話。

芥川の黒布もそうして破ったのだ。

単純なパワーと治癒力には自信がある。

狐「何度挑んでも無駄であることは自明だろうに、それでも私に挑むか、虎の子よ」

無感情に尋ねる『狐』。

敦「勿論だ。
僕には僕の目的があるから」

それでも敦の意思は揺るがない。

真っ直ぐなその目に、『狐』の指先がピクリと動く。

狐面のせいで表情は分からないが、纏っている雰囲気が格段に重くなった。

狐「おや、ではこちらも力の限りを尽くさなくては無礼に当たるな」

朱色の組紐を解いて、ゆっくりと狐面を外す。

お面の下から現れたその顔は、

敦「、、、『稲荷姫』と、一緒?」

瞳の色こそ違えど、顔立ちは『稲荷姫』そのものだった。

途端に溢れ出す呪力。

六眼を持つ五条には、それがどれだけ異常なことかが見て取れた。

五「『顔を隠すことで呪力を制限する』という縛りを自分自身に課していたのか?
だが呪霊がそんなことをするわけが」

自分の呪力を制限するなど、利点がないと言っても過言ではない行為。

まして負のエネルギーで構成されている呪霊にとって、呪力の制限は自分の生命に制限をかけるのに等しい。

そして五条は『狐』の行為の意味を理解しようとするあまり、反応が遅れた。

狐「邪魔な小僧は仕舞っておいてやろう」

気付いた時には、バリアで四方を囲まれていた。

五「っ、しまった」

五条の術式でバリアを壊すことは可能だろうが、その破片が敦の方へ飛び散るかもしれない。

その危険性を考えると、今はバリアの箱の中で大人しくしていた方が良さそうだ。

狐「今はただ、其方に敬意を。
手加減は互いに一切無しでいこう」

形の良い唇から鋭い牙を覗かせ、その碧眼を煌々と輝かせて笑っている。

『狐』が全力で攻撃するなら、敦はより早く死ねることになる。

敦にとってはまたとない好都合。

仕掛けるなら今だ。

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水街 - これにて終演、また来世!楽しみに待ってくださっている方がもしいたのなら、最後まで書けなくて申し訳ございません。多忙ゆえ体力が限界です。 (1月20日 21時) (レス) id: 2750b03dd8 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - 続けていただけて嬉しいです...!無理はせず、自分をお大事にしてくださいね。更新、楽しみにしております。 (7月20日 21時) (レス) @page16 id: fa8f980323 (このIDを非表示/違反報告)
葉桜 桜 - 面白いです!早く続きが見たいです!楽しみに待ってます! (2023年3月27日 14時) (レス) @page15 id: 61dac77b6e (このIDを非表示/違反報告)
千月(プロフ) - 面白すぎるんだが?続き待ってます! (2022年4月23日 10時) (レス) @page14 id: c920434a9e (このIDを非表示/違反報告)
水街(プロフ) - 夢女子S氏さん» えっっっっっありがとうございます!!!!!!推し一緒てことは趣味が似てるんですかね、、嬉しいですありがとうございます頑張ります!!!!泣 (2021年8月9日 20時) (レス) id: 17a12418a3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水街 | 作成日時:2021年4月17日 22時

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