検索窓
今日:33 hit、昨日:0 hit、合計:19,086 hit

7<χよ、しばらくぶりだな。> ページ8

〜とある謎の少女が語る〜
5月9日-17:28-

何故、私はこんな場所に居るのでしょうか。
病院...それも大きいやつの。

びゅうびゅうと風が私の横を吹き抜け、髪が激しく揺れました。

確かあの日も風が強かったんです。
それであいつ...松野おそ松は落ちてしまいました。

でも、あれは私の所為じゃない。
全部風のせいだ、なんて。雪かよ。

やはり自分から動くなんて馬鹿な真似はしないものですね。何が起こるか検討もつかない。

でも、お見舞いにはいかないといけない。
だって、あの御仁の兄ですから。

あとは問題の生徒手帳です。あれを誰かに見られるのは、想像するだけでも背筋が凍ります。しかもそれを、此所に落としたかもなんて...。

あぁ、駄目だ。胃が痛い。
腹を抑えながら病院に入る。

とんとんと階段を上がる音と、
どくどくと脈打つ心臓の音が、
まるで1つの曲のように体に響きました。

目的の病室に移動し名前を確認する。

「まつのおそまつ...。」

手に持った、お見舞いが入っているかご。
中には果物が入っています。

わざわざ買わないでも良かっただろうか、
と思いながらドアをノックする。

「...。」

返事がない、腹を括らねば。
なるべく音をたてないように、扉を開ける。

あわてて問題の『あいつ』を探す。
あいつ_マツノオソマツは寝ているようです。
すーすーと心地好さそうな寝息を立てていました。ぶん殴りたい。

そっと中に入りました。あいつも起きる様子はない。

「シツレイシマス...」

一応言っておきましょう。
なんで私はこんな馬鹿みたいな事してるんだと、
自分をぶん殴りたい衝動に刈られていますが、
今は置いておきます。

マツノオソマツを起こさないように慎重に棚へ近づく。

あとちょっとで棚の上にかごを置ける!
そして、かごを置いたその瞬間だったのです。

「おいおい、おっじょうちゃぁ〜ん?」

「!!!!!」

ドキーッと、心臓が音をならして飛び上がります。

にたぁ。
まるでそんな効果音だってつくかのような気持ち悪い笑み。

「狸寝入りクソ野郎...。」

ボソッといったはずの言葉は聞こえていたらしく、
野郎、オソマツはニヤニヤと私を見ながら、
「クソ野郎はひどくない?
君だって俺のこと転ばせたじゃん。」

言い返せないため、口ごもります。

「...ね、三ノ橋Aちゃん?」

「...!!」

オソマツは私の生徒手帳をヒラヒラさせながら言いました。

「ちょっと...お話しましょ?」

悪魔というのはこんな顔をしているのかと思いました。

8<むしろツチノコ発見より凄いと思う>→←6<なら解いてみせましょう>



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (49 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
33人がお気に入り
設定タグ:おそ松さん , おそ松 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

錠前(プロフ) - ライムさん» ライムさん、コメントありがとうございます!楽しんでいただけたようで何よりです。これからも頑張っていきますので、何卒、よろしくお願いします。 (2019年6月30日 12時) (レス) id: 09029ad6bb (このIDを非表示/違反報告)
ライム(プロフ) - 作品、めっちゃ素晴らしいかったです!!!これからも応援しています! (2019年6月17日 6時) (レス) id: 928e00f70d (このIDを非表示/違反報告)
錠前(プロフ) - killlifeさん» killlifeさん、コメントありがとうございます!甘いだけじゃない恋、ある種の苦味のある甘酸っぱさ、そういうモノがこの作品のテーマのひとつだったので、伝わったようでとても嬉しいです。これからも頑張っていきますので、何卒、よろしくお願いします。 (2019年5月30日 19時) (レス) id: 09029ad6bb (このIDを非表示/違反報告)
killlife - とても良い作品でした。甘酸っぱくて何だか学生時代の頃を思い出しました。コメント頂けると嬉しいです。 (2019年5月27日 0時) (レス) id: a010fddd46 (このIDを非表示/違反報告)
錠前(プロフ) - はむめろんさん» はむめろんさん、コメントありがとうございます!心が動かされた、というお言葉、本当に嬉しいです。この作品を通して、貴方に『何か』が伝わったなら、それだけで私は満足です。新作も頑張っていきますので、何卒、よろしくお願いします。 (2018年8月18日 10時) (レス) id: 09029ad6bb (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:錠前 | 作成日時:2016年10月22日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。