１４＜真っ直ぐな目で言うんじゃないよ＞ ページ15
〜とある謎の少女が語る〜
6月28日 -15:11-
ただいま、逆ナン待ちから家に帰る、カラ松さんを尾行中。
やはりあの木は良いですね。カラ松さんの姿を観察でき、それでいて見つかりづらく、動きがあったらすぐに追い付ける。
···最近あの木で少し問題事が起きたのでしばらく使えなかったのですが。
あまりそのエピソードには触れたくないですね。
いつも通りカラ松さんに女性はよりつかなかった模様。
いつかカラ松さんにも、素敵なパートナーができて、幸せに暮らしてほしいものです。
ん？パートナーは自分だとか言い出さないのって？
そんなこと、言う訳がないでしょう。
私はカラ松さんの幸せを願っている。
私があの人を幸せなんかに、
出来るわけがないのだから。
てか私みたいなのが一緒にいたらむしろ逆効果で。
私はあの人が不憫でならないのです。
なんであんなにも優しい方が、
御兄弟にあんな扱いを受けなくてはいけないのでございましょう。
同じ御兄弟なのに扱いが全然違うのです。
私はそれが哀しくてたまらないのでございます。
そうです、それなのです。
悪魔の契約の中にはそれが入っていたのです。
あれを悪魔の囁きと言わぬなら何と形容すれば良いのでしょうか。
「お前が俺の暇潰しの玩具になったら、
お前の大切なあの御方を幸せにしてしんぜましょう。」
つまりはそういうことです。
歯を食いしばって受け入れました。
しかしその悪魔も玩具に早々飽きたのか、連絡は来ていません。
まぁ、ないほうがいいんですが...。
そんなことを考えていたら、
カラ松さんが御自宅についたようです。
彼が自室の窓のとこに座ることを見越して、
それを見るためのいつもの場所(あちら側から見えにくいとこ)に急ごうとした、その矢先でした。
カラ松さんと入れ違いに悪魔が召喚されました。
「松野おそ松...。」
「ちょちょちょっ！？お前なにしてんの！！！」
「カラ松さんの尾行です。」
「潔いね？？？そういうの、
そんな真っ直ぐな目で言うんじゃないよ！！！」
私の貸した折り畳み傘で、
べちんと頭を叩かれました。
「あいた。」
「.......。」
叩かれたから下を向いているので、
オソマツが何故無言なのかがわかりません。
「あの＿」
「ありがとね、傘。」
喰い気味に言われた言葉に前を向けば、
そこには悪魔の顔はありませんでした。
すると、タイミングを見計らったかのように、
３時なのにも関わらず、
カラスが「かぁ」と鳴いたのでございます。
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錠前(プロフ) - ライムさん» ライムさん、コメントありがとうございます！楽しんでいただけたようで何よりです。これからも頑張っていきますので、何卒、よろしくお願いします。 (2019年6月30日 12時) (
レス) id: 09029ad6bb (このIDを非表示/違反報告)
ライム(プロフ) - 作品、めっちゃ素晴らしいかったです！！！これからも応援しています！ (2019年6月17日 6時) (レス) id: 928e00f70d (このIDを非表示/違反報告)
錠前(プロフ) - killlifeさん» killlifeさん、コメントありがとうございます！甘いだけじゃない恋、ある種の苦味のある甘酸っぱさ、そういうモノがこの作品のテーマのひとつだったので、伝わったようでとても嬉しいです。これからも頑張っていきますので、何卒、よろしくお願いします。 (2019年5月30日 19時) (レス) id: 09029ad6bb (このIDを非表示/違反報告)
killlife - とても良い作品でした。甘酸っぱくて何だか学生時代の頃を思い出しました。コメント頂けると嬉しいです。 (2019年5月27日 0時) (レス) id: a010fddd46 (このIDを非表示/違反報告)
錠前(プロフ) - はむめろんさん» はむめろんさん、コメントありがとうございます！心が動かされた、というお言葉、本当に嬉しいです。この作品を通して、貴方に『何か』が伝わったなら、それだけで私は満足です。新作も頑張っていきますので、何卒、よろしくお願いします。 (2018年8月18日 10時) (レス) id: 09029ad6bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：錠前 | 作成日時：2016年10月22日 16時
