苛烈で過麗な一撃を (ページ10)

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九話ページ10

『今日は、娘もつれてきておりましてね。社交界もあまり出ていなくて良ければ話を聞かせてやってください。』
『マリーと申します。総統様のような素敵な方に出会えて光栄ですわ』
煌びやかなドレスを身に纏い。嗚咽の出そうな猫撫で声…
(親子そろって、イラつくんだよなぁ…)
そんなことは顔に出さず、にこやかな顔で話を聞く。

『最近では、東の国に行かれたそうであの辺は何もなかったでしょう？』
グ「いやいや、自然が美しく独自の文化は目を見張るものがありました」
『それはそれは！どんな国にも一つや二つはいいところあるんですね。』
グ「彼女は、東の国出身だが知識も武術も我が国に引けを取らないほどです」
『まぁ、女性なのに戦場に出られるなんて…東の国はとても野蛮なのですね…』
マリーはかわいそうにと哀れんだ視線を向けるが
「戦争を野蛮だと考えるならば、貴方の国から見ればWRWR国はとても野蛮な国なのでしょうね」
と返す。
マリーは顔を真っ赤にしてテーブルに置いてあるワイングラスを投げつけた。
『ふん！いい気味ね！田舎の国がWRWR国に来れたからって調子に乗るからいけないのよ！！』
『マリー！！なんてことを…も、申し訳ございません総統閣下…』
グ「貴殿の娘は、わがままで自分の立場を理解しておられないようだ。よく躾ておくといい」
『も、申し訳ございません…』

頭からワインが滴る私は、臆せずにマリーに近づき首に手を添える
「かわいらしいお嬢さんに教えてあげよう。鳥かごで何も知らずに純粋に育つのはよいことだ。けれどね、貴方が野蛮だなんだと罵っている戦場では純粋で何も知らない者から騙され死んでいくのよ」
細く白い添えている手に少し力を入れると
マリーはヒッと悲鳴を上げる。
グルッペンさんは優しく手首に手を添えてそれ以上力を入れないよう止める。
グ「そんな目を他にしてくれるな。嫉妬で気が狂いそうだ」
優しい目に何も言えなくなる。

風邪をひく前に着替えグルッペンさんの元へもどる。
少し疲れた顔をするグルッペンさんを見て中庭に行こうと誘う
「少し疲れましたね。社交界なんて二年？三年ぶりかしら」
グ「そうとは思えないくらい。しっかり話していたな。意外と外交官に向ているんじゃないか？」
「ご冗談！私短気だからすぐに喧嘩になってしまいます」
そんな話をしていると中庭に月の光が差す。
舞台のスポットライトのように二人を照らした。