苛烈で過麗な一撃を (ページ5)

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四話　祝お引越しページ5

善は急げとはいうが…
「今日中に引っ越しすとは思わなかった…」
gr「何事も早い方が良いだろう？」
tn「Aさん、すみません。いつもこんなんなんです。」
だいぶ疲れた様子のtnさんに目の前に座るgrさん
苦笑いしながら、大丈夫ですよと笑っておいた。
馬車はWRWR国に向かっている。
船で移動してその後に馬車に乗り…今日中といっても二日目には突入しているのだ。
Aは馬車の窓から見える景色をぼーっと眺める。
(海を越えるとこんなに景色って違うんだなぁ…)
gr「違った景色だが綺麗だろう？」
grさんが優しく微笑みながら呟く。
「そうですね…自然があっていいですね。」
tnさんがこれからの段取りを教えてくれた。

とりあえず、今は婚約の状態で構わないこと。grさんは、ふてくされていたが。
帰ったら、幹部の紹介として会うこと。
ダンスパーティーや社交界には、参加すること。
軍の中は、危険なので何かあればすぐに報告すること。
一つ目と二つ目はわかる。
しかし
(ダンスなんてしたことないんだけれど…あと軍の中が危ないの？？外じゃなくて？？)
ダンスは後でgrさんに聞くことにして軍の中のことも何かあれば報告すればいいんだろうと軽く考え了承する。
この時なぜ私は、すぐに聞かなかったのか…学習能力が乏しい自分に嫌気がさすのはもう少し後。

WRWR国に着き軍の裏に着く。
荷物を降ろそうとすると、tnさんとgrさんが荷物を手に取った。
「あ、じ、自分の荷物くらい持ちます！！」
gr「これくらいさせてくれ、俺のわがままで引っ越してもらったんだ。

　それに

　妻になる人に荷物を持たせるような人間に見えるか？」
ふわりと笑いながら、Aの手を取りエスコートするgr
tnさんは、こそっと耳打ちで
tn「かっこつけたいんですよ。ここは折れといてくれませんかね？」
そう教えてくれる。
「わかりました。」
少し照れ臭くうつむいてしまったのは、失礼だが…
顔が赤くなったのを見られたくなかったので許してほしいと心の中でつぶやいた。
ドアが開き
新しい生活が始まるのだと少し緊張する。
gr「大丈夫だ。胸を張って歩けばいい。」
彼が総統になった理由がよく分かった。
彼の言葉は、自信をつけてくれる。背中を押してくれているような感覚になる。
「はい。ありがとうございます。」
騒がしい声が混じる生活音新しい環境の始まりだ。