苛烈で過麗な一撃を (ページ13)

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十二話　強いとはページ13

組み手が始まるとショッピさんが先制攻撃を打ってくる。
細い彼の腕のどこにそんな筋肉があるのかと疑問に思うくらいには一打撃が重い。
(人を見た目で判断するなんて…私もまだまだですね…)
攻撃をかわしながら機会をうかがっていると
ショ「仕掛けてこないんすね。そこそこ食らってるんとちゃいます？」
「生憎、真っ向勝負だけが強さの証になるわけではないですよ。」
彼女の体は、女性特有のしなやかさで紙一重で躱していく。
体力を温存しカウンターを狙い隙を窺っていた。
対するショッピは、攻撃が当たらず少しずつフラストレーションがたまってきているようだ。
当たれば、重い打撃も当たらなければ意味がない。

攻撃と守りの攻防は次第に体力差を生む
息が荒くなってきたショッピを見て、そろそろかと攻撃の体制に移る。
一瞬、守りが遅れたショッピは体制を崩し腕を後ろに掴まれ勝負がつく。
「お疲れ様です。攻撃は素晴らしく重い一打です。ですが、守りが甘いですね。」
ショ「っす。Aさん、強かったです。俺はまだまだですね。」
すこし、暗い顔をするショッピに
「いいえ？ショッピさんはとても強い。スピードも攻撃の重さも一級品です。幹部の皆さんに引けを取らないほど。」
ショ「でも、実際勝負では負けましたし。」
「ショッピさん。強さは一つではありません。それこそ、私も実践に訓練を重ね今の強さを手に入れました。私は強いです。胸を張って言いましょう。」

そろそろ自室に戻らないと、怒られそうだとコネシマさんに一言ありがとうございましたと。
そしてショッピさんにもお礼を言って自室に帰る。

ショッピは彼女が帰った後も彼女の言葉が頭から離れなかった。
ショ「強さは一つじゃない…か…」
じゃあ、強いってなんだ。
考えているとコネシマさんに呼ばれ訓練に戻る。
コ「なんや、ショッピ君珍しいな考え事か？」
ショ「コネシマさん、まぁそうっすね。」
コ「ふーん、あんま考えすぎんなよ。熱出るで」
ショ「コネシマさんじゃないんで出ないっすよ」
少しいつもの調子を取り戻したショッピに噛みつくコネシマ
「いい先輩と後輩ですね」
自室から外を覗いたAは笑みをこぼした。

きっと、彼が幹部に上がりさらに賑やかになる。
そんな気がするのだ。