五話 ページ6
扉が開くと青空が見える。
春の柔らかな風が頬をなでた。
ゾムさんたちの後に続き足を進める。
誰かの声が聞こえた。
「二人とも遅いゾ！！」
低く落ち着きのある子の声には、聞き覚えがあった。
「生徒会長さん？？」
グ「む？君は…誰だ？」
そりゃそうだ。
「はじめまして、天地Aです。入学式の時にお声を聞いたので。」
グ「あぁ、新入生か。すまないな。まだ全員のことを把握できていないんだ。」
Aは驚いて目を丸くした。
(え？生徒会長って全生徒のこと把握しなきゃいけないの？？…いや、美月もしてたか？？？)
顔に出ていたのか、違う生徒が
「グルッペンがおかしいだけで普通は把握なんてしないから安心して」
にっこり笑いながら話しかけてきたのは、優しい深緑がよく似合いそうな茶髪の男子生徒
オ「俺は、小野万次郎！オスマンって呼んでくれると嬉しいめう！」
「め、めう？？」
オ「めう！！」
不思議な語尾を使う人だと思いながら会釈する
そんな雰囲気の中ゾムさんが
ゾ「天地やねんけどな！？友達居らんくてぼっちやから一緒に食ってもええ！？」
「そんな大声で言うんですね。」
ちょっと悲しくなりながら、ゾムさんの顔を見る。
ゾ「あ、い、いや、ご！ごめん！！」
慌てて謝るゾムさんを見て
「まぁ事実なんで、大丈夫ですよ。」
そんな私たちを見てグルッペンさんは早く座れと促してきた。
お邪魔します。とゾムさんと鬱さんの間に座りお弁当を広げる。
「「「いただきます！」」」
「いただきます」
そういって、各々お弁当を食べだす。
「お弁当箱ちっさない？？それで足りるん？」
豚のバッチの付いたニット帽をかぶった男子生徒に話しかけられる。
「足りますよ。栄養管理も仕事のうちですからね。」
仕事？とはてなを浮かべる男子生徒
「はい、自分のブランドを持っているのでデザインだったり色々…」
オ「ブランドを立ち上げてるん！？」
はぇぇ、と全員が言葉を失う。
思い出したように一人が話し出す。
「今日の一年と生徒会だけ体育館に呼ばれてるやん？あれなんなん？」
グ「あぁ、何でも新しいシステムの導入のお披露目と一年生の歓迎を祝うのを同時にやるらしい。」
グルッペンが俺も詳細は聞いていないとのことで
次の話題になる。
最近の情勢はどうだとか今このゲームにハマっているなどの日常会話
「皆さん色々知ってるんですね。」
そういうと、自己紹介していなかったと全員が自己紹介タイムに入る。
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作者名：ピアッサー | 作成日時：2024年3月31日 1時
