十六話 ページ17
お楽しみの放課後
動きやすい服に着替えた私たち
ゾ「え？鬼ごっことかくれんぼ？…そんなんでいいん？」
「ゾムさんに着いていけたら体力面は十分でしょう」
春は今にも泣きそうな顔をしているが仮病を使ったりしないことからやる気はあるようだ。
ゾ「だ、大丈夫なん？都さん顔色悪いけど…」
春「大丈夫です…ふぁ…」
春から魂が抜ける音がした。
こんな事をしていても仕方ないので始める
「基本は、鬼ごっこと変わらないよ。タッチしたら鬼交代。隠れてもいいけど一分以上同じ場所にはいられないから気を付けてね。」
春の顔がシャキッとしたので腹をくくったのだろう。
「制限時間20分！！隠れ鬼ごっこ！！スタート！！」
開始するとゾムさんを春が追いかける。
ゾムさんに関しては、スピードはほとんどジョギングだ。
そんな二人を私は追いかける。
五分経ったぐらいだろうか
ゾ「暇や…」
春がゾムさんを見失い逃げる側が鬼を探している状態になった。
「学校で見失うもんなの？」
ゾ「この学校広いからなぁ〜」
きょろきょろ辺りを見回すが全く見つからない。
逆に才能なのではないだろうか。とまで思う。
「校庭だけにしとけばよかったかなぁ。」
そんなこと言いながら歩く。
さらに五分経った頃
「あ、見つけた！」
ゾ「え？どこ？」
春を探すためにゾムさんが顔を近づける。
顔が近くなッとことにより前髪の隙間からペリドットの瞳が見える。
なんだか、いけないものを見てしまったようで恥ずかしくなり、少し顔をそらす。
ゾ「あ！ほんまや俺が居ったとこと真反対やん。そら見つからんて。」
「そ、そうだね。」
ゾ「どうしたん？体調悪い？」
「だ、だいじょうぶ！ほら！春を迎えに行こ！」
走り出せばゾムさんは不思議そうに首を傾げ後を追ってきてくれる。
春と合流し今度は、校庭のみに範囲を絞り再開する。
ゾ「お！走り出しは好調やな！でもそのペースもつんか〜？」
少し煽りを入れながら春に合わせてくれるゾムさん
春も必死に食らいつくが何せ足が遅い。
しっかり柔軟をしてるので足を痛めることはないだろうが初日から飛ばしても後に響く。
「はい、時間切れ。鬼は継続で春ね」
ゾ「もう時間か。いやーもうちょっとやったなぁー」
春「嘘だ…めちゃくちゃ余裕だったじゃないですか…」
「はいはい、着替えたら、今日はバタークッキーが待ってるよ」
お菓子の名前を出せば、飛びつく二人。
紅茶は何にしようかな。
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作者名：ピアッサー | 作成日時：2024年3月31日 1時
