【ｄ！】トップアイドルだけど文句ある？【アイカツ】 (ページ12)

今日:12 hit、昨日:0 hit、合計:503 hit

十一話ページ12

「話って？」
『あ、えっと…』
女の子もごもごしながら口をつむる。
「言ってくれないとわからないよ？」
『あ、う、うん…ごめんね…』
「いや謝らせたいわけじゃ…」
女の子の目線は定まらず、あちこち見ながら話すのを迷っているようだ。
話が進まずやきもきしてしまい、女の子の顔をそらせないようにこちらに向けた。
『え？え？…』

「ちゃんと言って、なんの話か分からないけど大切なことなんでしょ？」
女の子の顔から手を離すと女の子は意を決して話し出す。
『私…Aちゃんが憧れなの…』
「…うん」
彼女が言うには、昔ブランドを立ち上げて初めてプレミアムレアドレスのお披露目ステージを見て、いつかブランドのミューズつまりブランドモデルになることが夢なのだそうだ。
『でも、親にいくら言っても私には、無理だ。諦めなさいの一点張りで…でも…諦められなくて…！！！だから！Aちゃん！！ううん、天地Aさん！！私をoneselfのミューズの候補生にしてくれませんか！？』
彼女の目には強い意志があった。たくさん努力をしてきたんだろう。けれど
「いいの？」
『え？』
「候補生で終わって。その程度ならほかの人にミューズを頼むわ。」
『…！！！』

私は、荷物を取り帰ろうとする。

『嫌です…私！！oneselfのミューズになります！！！』

その言葉が聞きたかった。私はフッと笑いながら
「着いてきて、ウチのミューズは甘くないよ。」
彼女は慌てて鞄を取り私についてくる。
長くてくせっけのふわふわした髪が揺れる。
少したれ目の桜色の瞳が輝く
「そういえば、名前聞いてなかったね。」
『私！都春(みやこはる)って言います！！』
「春ね。よろしく！春ちゃん！！」
『はい！天地さん！』
「名前でいいよ。」
春「うん！Aちゃん！！」

話しながら、私たちは生徒会室に向かう。
春ちゃんのアイドル登録や企画の書類の目通しをしに
生徒会室に着くと中からものすごい音が聞こえる。
ほぼ、叫び声だ。
春「せ、生徒会ってこんな感じなのかな？」
「わかんない…とりあえず、書類はここにあるらしいから入ろうか。」
春「う、うん。」
ドアを開ける
コ「シャオロン！！！！ここの計算間違えとるやないか！！何回言えばわかんねん！！！！」
シャ「うるさいわ！！！お前だって誤字脱字ひどすぎてなんのこっちゃわからんわ！！！！」
鬱「二人とも煩いで？」
ト「大先生？休憩しとる場合か？」
鬱「あ、あー、いやー…こ、これからやるねん！」