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JS side
ここにいない彼は、僕が引き出せなかったその表情を、いとも容易く引き出してしまうらしい。
ああ、僕いま嫌な人間だ。
「ええー？いま？ジスオッパと一緒……ん？今から？」
こちらをちらりと見やる彼女。もしかしたら僕と別れた後に会うのかな。いやでもそれくらい。僕は彼女の彼氏ではないし、何より選択肢は彼女にある。
そうぐるぐる頭の中で思考していると、彼女はくるりとこちらを向く。
「ジスオッパ、今日はこれでおひらきですか？」
今、次はあそこに行かない？なんて言ったら、彼女は彼にまだ用事があると言って電話を切るだろうか。一緒にいてくれるだろうか。
僕の性格上、そんなことは出来なくて。
「……そうだね。おひらきにしようか」
意地でも表情が顔に出ないように、ケータイで時間を確認するフリをする。
自分の都合ばかり通す訳にはいかなくて、結局僕は折れてしまう。きっといつか後悔するかもしれないのに。
そう言うと彼女はぱちぱちと瞬きをした後に、またケータイを耳に当てた。
「もしもし？うーん……ごめん廉、夜ご飯はまた違う日に食べに行こ。ほんとごめんね」
うん？彼女は今なんと言っただろうか。
日本語で会話していたからよく意味は伝わらないけど、彼女は申し訳なさそうな顔をしていることだけは分かる。
彼女はこれから一人で買い物とかにでも行くつもりだったりするのかな。
悶々と考えていると、電話を切った彼女が一歩、こちらに歩み寄る。少し距離が近くなって、彼女の瞳の色がよく見える。
「ジスオッパ、まだお時間ありますか？」
「……僕？うん、あるよ」
「私ね、まだ韓国をよく知らないから、どこに何があるのかとかを知りたいんです。ショッピングセンターとかも見てみたいから……あの、ジスオッパが良ければ、案内してほしいなーみたいな……」
僕より身長の小さい彼女が、こてんと小首を傾げて上目で見つめてくる。
テンプレな流れなのに、好きな子がこれをやるとどうしてもあざとさよりも可愛さが勝つ。
ダメな理由なんか探したって見つからなくて、僕は表情管理に気をつけながら「もちろん」なんてかっこつけた二つ返事で返した。よくやったホンジス。
気が緩むとすぐにやけてしまいそう。
てっきり今日はこれでおひらきかと思ってたから、思わぬ展開に胸が踊る。
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名無し76911号(プロフ) - すごい読みやすくてとても楽しいです！！ (2021年7月28日 12時) (
レス) id: 434190b704 (このIDを非表示/違反報告)
律花(プロフ) - sakiさん» やーんありがとうございます;;; シュア可愛いですよね、、、！ (2021年4月21日 2時) (レス) id: 7feb4b6231 (このIDを非表示/違反報告)
saki - 心臓がすごくドキドキする。ジョシュアがかわいい。。 (2021年3月11日 15時) (レス) id: efc7cfc4f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：律花 | 作成日時：2020年3月19日 1時
