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JS side
咄嗟のことで、訳が分からないまま応答ボタンを押してしまった。
ガサガサ、と音が聞こえたあと、多分日本語で慌てている声が聞こえる。
「あれ、ごめんなさい、間違えて変なところ押しちゃったみたい…うわーやっちゃった…」
…彼女の声だ。
願ったり叶ったりだ。こんな形で叶うなんて予想していなかった。
「急にかけちゃってすみません、お忙しいと思いますし切りま…」
「ちょ、っと待って」
やっちゃったのは僕の方だった。
間違えてかけてしまった電話を切ろうとした彼女を引き止めた。
「あ、えっと…このまま電話切るのもなんだし、もし良かったら…これも何かの縁だから少し話したいなって思って」
我ながらバレやすい嘘をついた。もういいや。どうにでもなってくれ。
するとスピーカーの向こうから「んへへ」なんていう緩い笑い声が聞こえた。
こんな風に笑うんだ。さっきは緊張からか全く笑っていなかったから、知らない彼女を知れて少し口角が上がる。
「私はもうあと寝るだけなんですけど、ジスさんはお時間大丈夫ですか？」
気遣いの出来るいい子だ、沼に嵌っていくみたいに、どんどん好きになる。
「僕ももう寝るだけだから大丈夫」
「そっかあ、私はお仕事終わったあとしばらくケータイ弄っちゃってたからこんな時間なんですけど、ジスさんみたいにお忙しいと寝るの遅くなっちゃいますよね」
「そう…だね、そんな感じ」
自分で引き止めたのに、気の利いた返事も出来なくて軽く自己嫌悪に陥る。
何か話題を作ろうと、必死に頭を回転させる。
こんな機会、きっと次はない。
「あ、そうだ、Aさんは夜ご飯何食べたの？」
いや、必死に考えて出てきたのがこれって。
でも、「んー」と考える彼女の声を聞くとどうでもよくなる。
「あ、あれ食べました。お仕事終わりに廉と…なんだっけあれ、カルグクス？でしたっけ、あれ食べに連れて行ってもらいました」
また彼だ。でもこちらに来たてだとひとりで行動するのも難しいだろうから仕方ないか。いやでも。ひとりで悶々と葛藤しそうになる。
食事に誘う勇気すら僕にはないから、この思いは胸にしまっておく。
「うそ、僕もカルグクス食べたよ」
「わ、一緒ですね」
なんてクスクス笑う声を聞いたら割とどうでも良くなってしまった。
「韓国の味、どう？慣れそう？」
「んー…同じアジアだし、これといって口に合わないものは今のところないですね」
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名無し76911号(プロフ) - すごい読みやすくてとても楽しいです！！ (2021年7月28日 12時) (
レス) id: 434190b704 (このIDを非表示/違反報告)
律花(プロフ) - sakiさん» やーんありがとうございます;;; シュア可愛いですよね、、、！ (2021年4月21日 2時) (レス) id: 7feb4b6231 (このIDを非表示/違反報告)
saki - 心臓がすごくドキドキする。ジョシュアがかわいい。。 (2021年3月11日 15時) (レス) id: efc7cfc4f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：律花 | 作成日時：2020年3月19日 1時
