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図星を突かれてもなお悩むのは、わたしが言わなくても目撃されてしまえばうらたさんは一気に炎上してしまうから。ここのバーは会員制だ。一般の客は安易に入れないが、会員の中にうらたさんを知る人がいないとも限らない。その小さな可能性がわたしの決断を遅らせる。

「もし誰かに見られたらって考えてる?」

「…え」

「わかりやす。大丈夫だよ、今日はたまたま暇だったから来ただけで、普段は定休日の火曜日に来てる。俺の活動を知った店長が気利かせてくれてさ」

結構前から通ってるのに鉢合わせしなかったのはそういう事だよ。そう言ってわたしの頬に触れる。

「ねぇ、これでもダメ?正直もう限界なんだけど。愛し合うなんてずっとしてないから、寂しくて死んじゃう」

あんたはウサギか何かか。ウサギでいいのか、いつかの月ラジで言ってたっけな。
わたしをじっと見つめる、切れ長の黒い瞳に吸い込まれるような錯覚に陥る。頬に添えられた手がするりと輪郭をなぞって、わたしの耳を優しく撫でる。

ダメだって言わないといけないのに、声が出ない。

「無言は了承の意…ってことで、Aちゃん俺の彼女ね」

「え、ちょ、いや、話進めないでください!」

「嫌なら言えばよかったのに、黙ってたのはAちゃんじゃん」

「そっ……う、だけど…」

だってうらたさんって有無を言わさないみたいな雰囲気あるし、好きな人にあんな選択迫られたら迷うに決まってるし、なんて言い訳を頭の中に並べる。

その時、うらたさんの顔が不意に近付いてきた。

頬に柔らかいものが触れ、ダミヘなんか比べ物にならないくらい生々しいリップ音が鼓膜を刺激した。

「…へ」

「最初だからね、ほっぺで許してあげる」

「いまの、くちびる」

「そうだよ?もう1回してあげようか」

ふにってした。柔らかかった。ほんとに大人の男の人?ぷるぷるしてた。うらたさん細かいところにも気遣うから。

いつも歌声を出してるあの口で、ダミヘで愛を囁くあの口で、かわいい笑い声を出すあの口で、低いトーンで雑談をしているあの口で、わたしの頬に、触れた。

「ふは、真っ赤。ほっぺにちゅーでそれなら、先が思いやられるな」

画面の向こう→←*



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せんたぬ(プロフ) - 柴イヌさん» 嬉しいコメントありがとうございます!夢主ちゃんからすると10歳年上の大人の男性なのでダンディーなうらたさんになってたら嬉しいです。現実と同じで活動してる設定なので普段の可愛らしい面も残しつつ物語を進めていこうかなと思ってます! (2022年8月21日 20時) (レス) id: eeb8a2c741 (このIDを非表示/違反報告)
せんたぬ(プロフ) - 七巳流さん» 何年間もリプしてる夢主ちゃんのこと覚えちゃってたんですよ、ある意味ネトスト的なところはあるかもです笑 (2022年8月21日 20時) (レス) id: eeb8a2c741 (このIDを非表示/違反報告)
柴イヌ - 初コメ失礼します!こんなうらたぬきさん初めてみました!大人の色気と裏の幼い感情が入れ混じってるのめっちゃすきです!これからも作者さんのペースで更新楽しみにしてます! (2022年8月21日 20時) (レス) id: e7748e17b4 (このIDを非表示/違反報告)
七巳流 - ん?ストーカーかな?まぁ許す、推せるから。 (2022年8月20日 15時) (レス) @page5 id: 5384c31615 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:せんたぬ | 作成日時:2022年8月16日 13時

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