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前に言っていたこと。

それは、自分の好みを全く教えてくれないうらたさんが珍しく教えてくれたこと。

『俺別にへそ出しに(へき)はないからな〜。強いて言うなら耳。耳好きだから耳掛けしてくれてたら俺は見ます』

数ヶ月前の配信でそう言っていたことを覚えている。元から耳掛けはよくしていたからうらたさんに言われたから変わったというわけではないけれど、こだわり始めたのはその言葉があってからだ。

あの言葉は本当だったんだな、あそこで嘘をついても得はないから本当だとは思っていたけれど。

うらたさんはしばらくわたしの耳を触り、イヤリングを撫でた。

「ちゃっかり緑だし。俺の事めっちゃ好きじゃん」

「…知っててこの関係に誘ったんですよね」

うらたさんはわたしの頬に手を添えて、人差し指で輪郭をなぞるように撫でてみせた。

「俺が耳好きって言ったの覚えてんなら、その後も覚えてるよな?」

「覚えてますよ、ちゃんと」

そう言えばうらたさんは急に立ち上がり、カウンターテーブルにわたしを追い詰めた。回転式の椅子に座ったままのわたしは背中とテーブルが当たって逃げ場がない。

「あの…」

「へぇ、わかっててやってんだ」

嬉しそうににやにやと目を細めるうらたさん。

まって、何その顔初めて見た。かっこいい。笑顔って可愛いのしか見たことなかった。なにそのかっこいいの。

わたしの脳内がかっこいいという言葉で埋め尽くされているのも知らず、うらたさんはわたしの耳に口を寄せた。

「じゃあ…されてもいいってこと?」

あの配信の時のうらたさんの言葉。
耳が好きと言ってからすぐにしたいことを言っていた。

『耳をね、ぱくってしたい。甘噛み?かな、噛みたいんだよね』

それのことを言っているのだろう。あの配信を聞いた日、わたしはそうされたいという気持ちでいっぱいになり、夜は色々想像してしまって眠れなかった記憶がある。

想像だけで、ダミヘだけでやばいのに、今直接?

「…だ、だめ、だめです…」

「なんで?」

「しんじゃう、ほんとに…」

そう言ってもうらたさんはにやりと笑うだけ。わたしの言葉を無視して耳をぱくりと咥えた。

「ひぁ、っ」

咄嗟に口を塞いだ。
だめだ、変な声が出る。

さっきの配信の同担さんで溢れかえったコメント欄を思い出す。
あの時、こたぬきみんなの王子様で、こたぬきみんなの彼氏だったうらたさんにこういう事をされている事実に、罪悪感と背徳感、そして優越感が込み上げてきた。

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せんたぬ(プロフ) - 柴イヌさん» 嬉しいコメントありがとうございます!夢主ちゃんからすると10歳年上の大人の男性なのでダンディーなうらたさんになってたら嬉しいです。現実と同じで活動してる設定なので普段の可愛らしい面も残しつつ物語を進めていこうかなと思ってます! (2022年8月21日 20時) (レス) id: eeb8a2c741 (このIDを非表示/違反報告)
せんたぬ(プロフ) - 七巳流さん» 何年間もリプしてる夢主ちゃんのこと覚えちゃってたんですよ、ある意味ネトスト的なところはあるかもです笑 (2022年8月21日 20時) (レス) id: eeb8a2c741 (このIDを非表示/違反報告)
柴イヌ - 初コメ失礼します!こんなうらたぬきさん初めてみました!大人の色気と裏の幼い感情が入れ混じってるのめっちゃすきです!これからも作者さんのペースで更新楽しみにしてます! (2022年8月21日 20時) (レス) id: e7748e17b4 (このIDを非表示/違反報告)
七巳流 - ん?ストーカーかな?まぁ許す、推せるから。 (2022年8月20日 15時) (レス) @page5 id: 5384c31615 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:せんたぬ | 作成日時:2022年8月16日 13時

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