馬と飼い主

4頭 ページ4

「え？」



「うわやっぱり馬だ、あーすっきりした」



「…僕3学期から馬の被り物かぶって学校行こうかな」



「お願いだからやめてください」



3学期初日。馬の被り物を本当に被ってくるんじゃないかと心配していたがソクミンくんは被ってこなかった。



安心して学校へ行ったら教室に入った瞬間、ソクミンくんが



「馬の被り物被らなかった代わりに馬のモノマネします！」



とか言い出して本当にやり始めた。私に向かって。



顔が馬だから何しても馬。馬すぎて笑いが止まらない。



ずっと笑っていると、犬みたいなやつが話しかけてきた。



「Aってさ、鹿みたいだよな」



「は？」



「ほら、ソクミンが馬じゃん？合わせて馬鹿みたいな」



「何あんたぶっ飛ばされたいの」



こいつの名前はキムミンギュ。ソクミンくんと同じく韓国人だが、こいつは親が2人とも韓国人なだけで、首がすわらないうちに日本に来たらしく、さらにミンギュ曰く親も韓流よりジャニーズ派なので、同志ではない。



まずこいつがソクミンくんと行動を共にするはずだったのだが(先生もミンギュくんよろしくねと言っていた)何故かソクミンくんは



「Aちゃんも一緒なら！」



と言い出した。



キムミンギュは運動神経が抜群に良ければルックスも良い。そして誰にでも優しく、仲良くなれば軽くいじってくる。



そんなタイプの人間だから当然モテる。恐ろしい程に。



そんなやつと行動を共にしたら殺されるに違いないと思った私は、



「いや、私はいいから2人で行きなよ」



と言ったのだが、



「じゃあ僕もAちゃんと行く！ごめんねミンギュ！」



え。



「ちょっとソクミンくん何断ってんの！」



「え、だってAちゃんいなきゃつまんないんだもん」



この時から奴は私にベッタリ引っ付くようになっていた。

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