選択 ページ9
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彼はベッドの脇にある椅子に腰掛ける
「さあ…何から聞こうか」
この状況の楽しんでいるかのような
笑みを口元に浮かべている
「何でも答える」
「じゃあまず手帳見せろ」
言われたとおりポケットから
警察手帳を出すと彼に手渡す
「ふーん…イ A、ね。
女の刑事は見るの久々だな」
ザッと目を通すと私がいるベッドに
ポンと投げて返してきた
「俺のことはどこまで喋ってんだ？」
「何も喋ってない…って言っても
信じてくれないんだろうけど」
「当たり前だろ。今度の取引の件も、
俺をはめようとしてるんだろ？」
嘘か見定めるようにじっとこちらを見る
「それはない。だって考えてみてよ。
どこどこへ行け、ならまだしも
行くなって言ってるだけでしょ？
捕まることはまずないじゃない」
これは予め考えてきた言い分だ。
「まあ、それもそうだな。
…で、お前は何がしたい」
「あなたに捕まってほしくないだけ」
「どうして」
「…あなたの、カイのダンスに惹かれてるから」
「はっ、そんなのが理由になると思うか？」
背もたれに思いっきり体を預けた彼は
嘲るように笑いながら言った。
「じゃあ、あなた自身に
惹かれてるって言えばいい？」
「そっちの方が信じられない。
俺の何知ってるっていうんだよ」
「随分疑い深いのね」
「じゃなきゃ生きてこれてない」
冷たい視線はブレない
「…じゃあ、万が一あなたが捕まったら、
私が情報漏洩してたって話せばいい。
そしたら私も退職どころか牢獄行きになる。」
「なるほどな」
やっと彼が少し警戒を解いたのが目で分かる
「私もそれだけのリスクを抱えて
あなたにこうして話してる。
だから信じて、明後日の取引は、」
「分かった、行かない。」
彼が即答したので思わず拍子抜けした
「信じてくれるの？」
「公平な取引だと見なしたからだ」
そう言うと彼は立ち上がって
私の前までやってきた
「A…だったっけ。
今日からお前は俺と同罪だ」
同罪…なんと刑事に
相応しくない言葉なんだろう
「嫌？俺に惹かれてるんじゃなかった？」
上から見下すような視線は有無を言わせない
「ううん、嫌じゃない。」
「じゃあ、せいぜいこれから
俺の犯罪に加担するんだな」
わざと彼が刑事の私にとって
嫌な言葉を選んでいるのが分かる
まさに“悪魔”。
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かのか(プロフ) - す、スンゴイ面白い！ (2015年7月29日 16時) (
レス) id: 171b30f749 (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - 続きが気になります！ (2015年7月24日 21時) (レス) id: 3f43380847 (このIDを非表示/違反報告)
るんるん - 読んでるこっちが震えるほど面白いです（笑）更新待ってます！ (2015年7月21日 0時) (レス) id: 724eac6f67 (このIDを非表示/違反報告)
Tm(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます〜！最高です(ToT)/~~~ (2015年7月18日 16時) (レス) id: 3097d1d4b4 (このIDを非表示/違反報告)
りゅっちょん(プロフ) - すっ、凄すぎる★めちゃｺﾜｲ★でもハマります!!すごく好きです! (2015年7月18日 15時) (携帯から) (レス) id: 75eedf787c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぺっぱー
| 作成日時：2015年6月7日 1時
