偽善 ページ8
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『若い男が単独で全部やってるらしい』
警察が飼っている情報屋から仕入れた情報。
警察はこれまで多くの組織の
薬 物売買を押さえてきたものの、
それを仲立ちする運び屋の存在を
ずっと突き止められずにいた。
情報屋は、その数々の取引には
全部ひとりの男が関わっていると言うのだ
さらには、その人物は夜の街に
たびたび現れるという。
そこで、暴力団や薬 物を取り締まる第四課に
配属されている私にも捜査が課せられた。
『情報収集…ですか？』
だから最初クラブに行ったのも
捜査の一環に過ぎなかった
運び屋が溶け込んでいるかもしれない
“夜の街”を知っておく必要があったから。
廃工場に行ったのだって、そこが取引に
使われている可能性があったからってだけで。
ただ、偶然に偶然が重なりすぎた…ー
私が魅せられた悪魔は、
まさに探していた運び屋だった。
そして昨日の会議、別の捜査官の報告で
『土曜日○○港で取引が行われる』
といった内容のものを耳にしたのだ
(彼に伝えなければ)
直感的にそう思ってしまった私は
刑事になってはいけない人間だった
「私、刑事なの」
彼に種明かしをすると、しばしの沈黙。
「はめやがったな」
明らかに引き攣っている表情
「違う」
「仲間が隠れてんじゃねえのか」
「ううん、私ひとり」
やり合うつもりはないことを
示すために私は両手を掲げた
それでも彼は恐らくキャップに隠れた
目でまわりを隈なく観察している
「…来い」
突然腕を引っ張って歩きだす彼に
私は一切抵抗しなかった。
連れて来られたのは、
通りにあった古いホテル。
部屋に入ってドアが閉まった途端、
「もう一度手をあげろ」
キャップを脱ぐと鋭い目線で言う。
「武器は持ってない」
「信じられるかよ」
「なんなら脱いでもいい」
なるべく余裕があるようにそう答えると
彼は数秒黙り込んだ後に、
「いい、そこに座れ」
と顎でベッドを指した。
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かのか(プロフ) - す、スンゴイ面白い！ (2015年7月29日 16時) (
レス) id: 171b30f749 (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - 続きが気になります！ (2015年7月24日 21時) (レス) id: 3f43380847 (このIDを非表示/違反報告)
るんるん - 読んでるこっちが震えるほど面白いです（笑）更新待ってます！ (2015年7月21日 0時) (レス) id: 724eac6f67 (このIDを非表示/違反報告)
Tm(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます〜！最高です(ToT)/~~~ (2015年7月18日 16時) (レス) id: 3097d1d4b4 (このIDを非表示/違反報告)
りゅっちょん(プロフ) - すっ、凄すぎる★めちゃｺﾜｲ★でもハマります!!すごく好きです! (2015年7月18日 15時) (携帯から) (レス) id: 75eedf787c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぺっぱー
| 作成日時：2015年6月7日 1時
