真実 ページ46
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ビョンベッキョンは所詮
彼の暇潰しの駒に過ぎなかった…ー
そのとき、
『あの運び屋、
絶対人殺してると思うんすよねえ』
まさかその日自分がターゲットになるなんて
予想もしていなかったであろう、
あの同僚の言葉を思い出した。
これまでもそれについて考えたことはある。
なんせ廃工場で会ったとき
殺されかけたのだから。
だけど彼と暮らしてみて、
人間らしい面を見てきて、
彼に人殺しはできないと思った
彼は犯罪者と言えども
ただの運び屋だ、と。
しかしだ、
お遊びで人の命を賭けるこの男は
人を殺せるのではないだろうか？
既に何人も殺してきたのではないか？
再びその疑問が浮かぶのも無理はない。
「…クラブにいた子に聞いた噂なんだけど、
前ジョンインについて来た女の子に
何かしたって本当？」
以前ヨナに聞いた話。
要は否定してもらえばいいのだ。
「あーあいつか…
一回寝てやるから二度と現れんなって言った」
ほら、殺してなんか…
「なんて言うとでも思ったか？
そこへんにいた男に譲ってやったよ」
一瞬ヒヤッとしたが、
“殺していない”という結果なら
今の私のとっては何でもいい。
「だよね、やっぱりジョンインは、」
「A」
ソファから立ち上がったジョンインが
私の目の前までやってきた
「今日のお前はやけに遠回しだな」
「…何のこと？」
「いちいち俺が先回りして
答えないといけない？」
彼のからっぽの瞳を見て、
このままでは聞きたくないことを
聞いてしまいそうな気がした
「いい、何も言わなくていい…」
「俺が人を殺したことがあるか。
お前が知りたいのはそれだよな？」
「違う、そんなこと、」
「俺は、____」
「言わないで！！」
目をギュッと閉じて両手で耳を塞いだ
さっき切った指が痛いくらい、
必死に手を耳に押し当てる。
すると突然頬に触れられた感じがして、
すぐに唇にあたたかいものを感じた
「んっ」
唇は荒々しく何度も
角度を変えて重ねられる
耳から離した手で思いっきり体を押すと、
ガリッと彼の唇を噛んだ感覚とともに
ジョンインは少し後ろに退いた
部屋には荒い呼吸の音だけが残る
「……」
「……」
こんなに長く彼と目を
合わせていたことがあっただろうか。
そのくらいの沈黙の後に
彼は口角を吊り上げた。
左右非対称な、不敵な笑み
「俺は人を殺した」
私がさっき噛んだ唇から
血が静かに滴り落ちた
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かのか(プロフ) - す、スンゴイ面白い！ (2015年7月29日 16時) (
レス) id: 171b30f749 (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - 続きが気になります！ (2015年7月24日 21時) (レス) id: 3f43380847 (このIDを非表示/違反報告)
るんるん - 読んでるこっちが震えるほど面白いです（笑）更新待ってます！ (2015年7月21日 0時) (レス) id: 724eac6f67 (このIDを非表示/違反報告)
Tm(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます〜！最高です(ToT)/~~~ (2015年7月18日 16時) (レス) id: 3097d1d4b4 (このIDを非表示/違反報告)
りゅっちょん(プロフ) - すっ、凄すぎる★めちゃｺﾜｲ★でもハマります!!すごく好きです! (2015年7月18日 15時) (携帯から) (レス) id: 75eedf787c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぺっぱー
| 作成日時：2015年6月7日 1時
