牽制 ページ44
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帰宅したときジョンインはいなくて、
シャワーを浴びて髪を乾かしていると
彼が帰ってきた物音がした。
ガラッ
程なくして洗面所のドアが開いて
仏頂面のジョンインが立っていた
「どっか行ってたの？」
「まあな」
そう言うと彼は私がいるのも気にせず
服を脱ぎ捨ててそのまま浴室に入った
「あーあ、散らかしちゃって」
床に落ちていたブルゾンを手に取ると
普段はしない香りがした
…香水？
少し甘いけどしつこくない香り。
ああ、女の人と一緒にいたのかもしれない…
そんなことを考えて複雑な
気分になる自分が嫌になる。
ベッドに入って寝付けないでいると
シャワーを終えたジョンインが隣にやってきた
「今日はこっちで寝るの？」
「嫌？」
「ううん、むしろもう
ソファで寝なくたっていいのに」
それに対する返事はなく、
彼はいつものように私を
抱き枕のように抱きしめた。
たまにやってくるこの穏やかな時間が好きだ
ジョンインは感情の起伏が激しいし
そのスイッチすら分からないけど、
きっと今の彼は機嫌がいい。
「何かいいことでもあったの？」
「うん、すごく」
それが香水の主のおかげなら、
複雑だけど少し感謝したいと思った。
___翌朝
「おはようござ…どうしたの？」
部屋に入るなりそこには
頭に包帯を巻いた同僚の姿があった。
「俺昨日そんなに酔ってた？」
「うん。転びでもしたの？」
「簡潔に言うと、
気がついたら踏切にいた。」
「は？」
「カンカンうるさい音で目が覚めて、
そこが踏切だと気付いた時は衝撃だったね。
咄嗟に這い出たけど焦って転んで頭打つし」
「線路で寝てたってこと？」
考えただけでゾッとする話だ
「それがさ〜タクシー降りたとこ
までしか記憶にないんだよ。」
肩をすくめるビョンベッキョンに
ミンソク先輩が頭を掻く
「やっぱり俺が家まで
送り届けるべきだったな…」
「もう飲み過ぎには注意っすね〜」
凝りてないのかヘラヘラ笑う奴の
後ろを通り過ぎたとき、
(…え、)
「あんた香水つけてる？」
「今更かよ、こないだからつけてる。
どうして？臭い？」
「いや、別に」
隠れるようにトイレに走った
鳥肌が立って、
手の震えが止まらなかった
だって、
ジョンインの服からしたのと
全く同じ香りだったから。
『気がついたら踏切にいた』
『それがさ〜タクシー降りたとこ
までしか記憶ないんだよ。』
(まさか、ね)
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かのか(プロフ) - す、スンゴイ面白い！ (2015年7月29日 16時) (
レス) id: 171b30f749 (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - 続きが気になります！ (2015年7月24日 21時) (レス) id: 3f43380847 (このIDを非表示/違反報告)
るんるん - 読んでるこっちが震えるほど面白いです（笑）更新待ってます！ (2015年7月21日 0時) (レス) id: 724eac6f67 (このIDを非表示/違反報告)
Tm(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます〜！最高です(ToT)/~~~ (2015年7月18日 16時) (レス) id: 3097d1d4b4 (このIDを非表示/違反報告)
りゅっちょん(プロフ) - すっ、凄すぎる★めちゃｺﾜｲ★でもハマります!!すごく好きです! (2015年7月18日 15時) (携帯から) (レス) id: 75eedf787c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぺっぱー
| 作成日時：2015年6月7日 1時
