空虚 ページ4
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それは火曜日のことだった。
私は仕事で廃工場に来ていた。
なぜそんなところにと思うだろうが、
職業柄しょうがないのだ。
錆びた機械、剥がれかけた壁、
化学物質の臭い、もちろん無人だ
「うわ」
奥まで進んでいると知らない間に
何かを踏んづけていたみたい。
「…ガム？」
しかもよく見るとまだ乾いていない
もしかして他の人がいる？
そう思ったとき、
こちらに近づく足音に気づいて
思わず近くの機械の影に隠れた。
「〜、〜！」
最初は聞き取れなかった声が
近くに来るにつれて聞こえてくる
「今回の相手もヤクザか？」
「まあ、そうだね」
ヤクザ？
穏やかな話ではないことは確かだ
「それならお前が直接行けばいい」
「うちの組とピリピリしてんだよ。
そのためのお前だろ」
通り過ぎた音がしたのでこっそり
機械の影から向こうを覗いてみると、
見えたのは男二人の後ろ姿。
どちらとも背が高く、
一人はスーツ、一人は普段着だ。
「はあ…まあ仕事は選べないしな」
と、普段着の方の男が頭を掻いた
「ちゃんと弾むからさ、お礼は。」
スーツの男はそう言うと、
手に持っていた煙草を地面に捨てて
踏み潰しながら更にこう付け加えた
「お前には期待してるよ、
優秀な運び屋くん。」
“運び屋”って…
どうやら私は、
見てはいけないものを見てしまったらしい
見つかったら終わりだ。
「じゃ、頼んだよ、J 。」
スーツの男はもう一人…運び屋を
そう呼んで、立ち去って行った。
運び屋はというと、
その場に突っ立ったままだ
(早くどっか行って)
そう念じて隠れ直すと、
ツカツカと足音が響いて…
足音が止んだかと思うと、
「いるんだろ、出てこいよ」
とすぐ近くで声が聞こえた。
うそ、気づいてた？
思わずたじろいだとき、
足元にあった鉄棒に足が当たって
カン という音が鳴ってしまった。
「はは、そこか」
更に近づいてくる足音がして、
咄嗟に立ち上がって走った
(人がいるところまで走れば…！)
けど男性の運動神経に叶うはずもなく
私の腕はすぐに捉えられる
「離して！」
それなりの抵抗をしてみたものの
それはすぐにねじ伏せられて、
次の瞬間背中に強い衝撃が走った。
気がついたときには仰向けになっていて、
視界にはくすんだ色の天井と、
「暴れんな、大人しくしてろ」
整った顔、という表現が相応しい男の顔。
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かのか(プロフ) - す、スンゴイ面白い！ (2015年7月29日 16時) (
レス) id: 171b30f749 (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - 続きが気になります！ (2015年7月24日 21時) (レス) id: 3f43380847 (このIDを非表示/違反報告)
るんるん - 読んでるこっちが震えるほど面白いです（笑）更新待ってます！ (2015年7月21日 0時) (レス) id: 724eac6f67 (このIDを非表示/違反報告)
Tm(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます〜！最高です(ToT)/~~~ (2015年7月18日 16時) (レス) id: 3097d1d4b4 (このIDを非表示/違反報告)
りゅっちょん(プロフ) - すっ、凄すぎる★めちゃｺﾜｲ★でもハマります!!すごく好きです! (2015年7月18日 15時) (携帯から) (レス) id: 75eedf787c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぺっぱー
| 作成日時：2015年6月7日 1時
