矛盾 ページ27
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.
「どうも」
どうしてこの男がここに…ー
「あ、そういえば未だに
お姉さんの名前聞いてなかった」
「ぷっ、ヨナは名前も知らない人と
あんな楽しそうに話してたの？」
名前、名前…
今後の捜査であれカイ関連であれ、
それを考えると本名を言うのは得策ではない
「アヨンっていいます」
咄嗟に口をついて出たのが
こないだのパーティーで使った偽名
珍しい名前でもないし大丈夫なはず。
「アヨンちゃんね、よろしく」
再び笑う男を見てハッとした。
このままだとカイが来てしまう…
彼のことだからきっと仕事以外の
付き合いは避けているだろうし、
いくら帽子を深くかぶっているとはいえ
何度も見た顔なら気づく可能性もある。
(どうにかしなきゃ…)
私はバッグから携帯を取り出した
“クラブに廃工場のときの男がいる”と
急いで打つと送信ボタンを押した。
「なに、彼氏？」
向かい側の大きな目が好奇心旺盛な
色を含んでこっちを見ている
「ううん、仕事のメール」
「お姉さん仕事何してるの？」
「…普通の事務職だよ」
無難な答えを返したけど
二人が特に疑う様子はない
「二人はどういう知り合い？」
「オッパはね、前働いてた美容室のお客さん。
私が切ってたわけではなかったけど」
「ヨナがやめた後もたまに
クラブで見かけるようになってさ」
「へえ、そうなんだ」
世間は狭い、とつくづく思った。
「オッパ何の仕事してると思う？」
楽しそうに身を乗り出して聞くヨナ。
「んー…アパレル、とか？」
「はずれ」
「じゃあ…ホスト？」
「あは、ひどいな〜」
正解は知ってるようなもんだけど
当てるわけにもいかないし、
その前に彼は公表してるのだろうか
「分からないな〜」
「アヨンちゃん、正解はね…ニート！」
内容に合わない明るい笑顔で言うから
思わず返事までに何秒か間があいてしまった
「ね？反応困るでしょ？」
「あ、いや、全然そう見えないと思って。
高そうなスーツとか時計つけてるし…
あっ全然嫌味とかではなくて」
慌てて付け加えると彼は
自分の時計をまじまじと見つめる
「これはねー、俗に言う
“親の脛かじり”の賜物、かな」
そう冗談っぽく言って笑った。
〜〜♩
「あ、俺のだ」
チャニョルは携帯を出した
「親父だ…ごめん二人とも、
残念だけどここで抜けるね」
「え〜」
「楽しんで」
そう言うと自称ニートは
お札をテーブルに置いて去って行った
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かのか(プロフ) - す、スンゴイ面白い！ (2015年7月29日 16時) (
レス) id: 171b30f749 (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - 続きが気になります！ (2015年7月24日 21時) (レス) id: 3f43380847 (このIDを非表示/違反報告)
るんるん - 読んでるこっちが震えるほど面白いです（笑）更新待ってます！ (2015年7月21日 0時) (レス) id: 724eac6f67 (このIDを非表示/違反報告)
Tm(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます〜！最高です(ToT)/~~~ (2015年7月18日 16時) (レス) id: 3097d1d4b4 (このIDを非表示/違反報告)
りゅっちょん(プロフ) - すっ、凄すぎる★めちゃｺﾜｲ★でもハマります!!すごく好きです! (2015年7月18日 15時) (携帯から) (レス) id: 75eedf787c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぺっぱー
| 作成日時：2015年6月7日 1時
