安寧 ページ24
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イテジョンはきっとカイを
警察に売ろうとしている…ー
情報を掴んだことに
頬が緩みそうになるのをこらえた。
ちょうどそのとき、
「テジョンさん、お電話が…」
秘書らしき人が駆け寄って来た。
「すまないね。
また連絡させてもらうよ」
「あ、はい」
車中でカイに渡された偽物の
名刺をバッグから出して交換する
「じゃあ、よい夜を」
「ありがとうございます」
テジョンが広間から消えるのを見送ると
すぐさまカイを探した
テーブルで談笑しているのを見つけて
近づくと彼も私に気づいた
「ちょっと失礼」
と頭を下げるとこっちにやって来る。
「帰ったよな？」
「うん」
「はあ…掴み損ねたか」
セットしているのも忘れて頭を掻く
「もう十分、私が掴んだから」
「は」
「結論から言うと、取引不成立」
そう告げると彼はさっきのテーブルに戻って
「すみません、妻の体調が
よくないので帰らせていただきます」
いとも簡単に嘘をついた。
「帰るぞ」
一刻も早く詳細を聞きたい、
といったところだろうか。
足早に会場から出ると
駐車場まで一言も発さずに歩いた。
バタン
車のドアを閉めた途端、
カイは助手席の私に向き直った
「…えっ」
私が驚くのも無理はないと思う
だっていきなり引き寄せられて
頭に手を添えられたから…ー
思わず目を閉じそうになると、
「キスなんかしねえよ」
と笑い声が聞こえてくる。
目を開けると彼の顔は私の耳あたりにあった
「何、してるの？」
「いいからじっとしてろ」
カイが喋ると微かに耳に
息がかかってくすぐったい
「取れた」
そう言って離れた彼が持っていたのは
1センチもない小さなチップのようなもの。
あれ、こういう類のもの
捜査で見たことある気が…
「いつつけたの？」
「会場入る前、髪飾りに」
「全然気づかなかった…」
「しっかりしろよ刑事さん」
カイはそう軽口を叩いている間にも
チップを小型の機械にセットして、
「時間的にここらへんか」
と再生ボタンを押した。
聞こえてきたのは案の定
私とテジョンの会話だった
カイはそれに真剣に聞き入っている。
『よい夜を』
『ありがとうございます』
別れたところまで聞き終えると
一時停止ボタンを押す。
(何言われるかな…)
こっちを見た彼は、とても
犯罪者とは思えない笑みを浮かべていた
「よくやった！」
彼はそう言うと、犬にそうするみたいに
私の頭をくしゃくしゃと撫でたのだった。
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かのか(プロフ) - す、スンゴイ面白い！ (2015年7月29日 16時) (
レス) id: 171b30f749 (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - 続きが気になります！ (2015年7月24日 21時) (レス) id: 3f43380847 (このIDを非表示/違反報告)
るんるん - 読んでるこっちが震えるほど面白いです（笑）更新待ってます！ (2015年7月21日 0時) (レス) id: 724eac6f67 (このIDを非表示/違反報告)
Tm(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます〜！最高です(ToT)/~~~ (2015年7月18日 16時) (レス) id: 3097d1d4b4 (このIDを非表示/違反報告)
りゅっちょん(プロフ) - すっ、凄すぎる★めちゃｺﾜｲ★でもハマります!!すごく好きです! (2015年7月18日 15時) (携帯から) (レス) id: 75eedf787c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぺっぱー
| 作成日時：2015年6月7日 1時
