夢 ページ19
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何と答えていいかも分からず
話題を変えることにした
「今日も踊りに行った？」
「うん」
「仕事早く終わったら行ったのにな〜」
「見たかった？」
「もちろん」
すると彼はコップを置いてこう言った
「踊ろうか？」
「えっ、いいの？！」
思わずおっきな声が出て笑われてしまった
「汗かきたくないから、
軽いのをちょっとだけなら」
そう言った彼はいったん脱衣所に行って
黒いタンクトップを着て戻ってきた。
音楽をかけると携帯を机に置く
それはクラブでは到底
聴くことのないような穏やかな曲
「……」
文字通り、言葉を失うしかなかった。
彼の長い手足は繊細な動きで、
クラブでのときのように空気を
絶対的に従えている感じではなく、
まるで空気と戯れているかのよう
濡れている髪の雫が時折飛んで神秘的だ
そして彼の手は蝶ような形をつくり
それを頭上まで羽ばたかせた
(本当に蝶がいるみたい)
彼の表情が、視線が、
きっとそうさせている
クラブで見るキャップの下に隠れた目や
唯一見える口元とは違う類のものだ。
「はい、終わり」
曲のキリがいいところで
彼は動きをフェードアウトさせた
「……」
「で、なんで泣いてんの？」
言われてやっと自分が涙を
流していることに気づいた。
「あ…なんか感動しちゃって。
泣く女がこの世で一番嫌なんだったね」
彼に廃工場で言われた言葉を思い出す
「いいよ、これはノーカンで」
そう言うとカイは洗面所に戻っていった。
皆が人混みをつくってまで見るダンスを
こんな近くで独り占めしちゃうなんて
なんだか罰が当たってしまいそうだ
「あ、A」
カイが洗面所からひょこっと顔を出した
「何？」
「明日休み？」
「うん、そうだけど…」
「よかった。
付き合って欲しいところがある」
そう言った彼の顔は、先程とは
打って変わって悪人のそれだった。
これを受けてもらうために
さっき踊ったんじゃないかと
思ってしまうくらい。
きっとまた何かに巻き込まれる
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かのか(プロフ) - す、スンゴイ面白い！ (2015年7月29日 16時) (
レス) id: 171b30f749 (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - 続きが気になります！ (2015年7月24日 21時) (レス) id: 3f43380847 (このIDを非表示/違反報告)
るんるん - 読んでるこっちが震えるほど面白いです（笑）更新待ってます！ (2015年7月21日 0時) (レス) id: 724eac6f67 (このIDを非表示/違反報告)
Tm(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます〜！最高です(ToT)/~~~ (2015年7月18日 16時) (レス) id: 3097d1d4b4 (このIDを非表示/違反報告)
りゅっちょん(プロフ) - すっ、凄すぎる★めちゃｺﾜｲ★でもハマります!!すごく好きです! (2015年7月18日 15時) (携帯から) (レス) id: 75eedf787c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぺっぱー
| 作成日時：2015年6月7日 1時
