疑惑 ページ16
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今日は残業もなく早めに上がることができた
たしか一人分なら食材が冷蔵庫にあったな、
なんて思いながら帰路につく。
カイは月曜も火曜も昨日も
私が帰宅したときにはいなくて、
朝起きたら帰ってきて隣で寝ている。
…いや、火曜日なんかは
起きたときもいなかったから
きっとどこかに泊まってたんだと思う
この調子だときっと今夜もいない。
そう思って家のドアを開けたのに、
真っ暗な部屋からは音楽が聴こえてきた
(いたんだ…)
電気もつけずにソファに寝転がって
携帯をいじっていた彼がこちらに気づく
「早かったな」
そう言って携帯を操作して音楽を止めた
「あなたみたいな人たちが
事件起こさない日は早いの。
カイこそ、いると思わなかった」
「俺もそんなしょっちゅう
運んでるわけじゃないんでね」
彼は思いっきり背伸びして起き上がった
「お腹空いたんだけど」
「…あ、材料ないや。
どっか食べに行く？」
慎重な彼はきっと行きたがらないだろう
ということに、尋ねた後で気が付いた。
しかし、
「そうだな」
と予想外の答えが返ってきて驚く。
「ほら、行くぞ」
パーカーにスウェットという格好のまま、
肌寒いというのに裸足でペタペタ歩くと
そのままスニーカーに足をつっこんだ
「あ、うん」
私もそのままの服装でまた靴を履く
そういえばカイと歩くのなんて
ホテルに行ったときくらいだ
「ファミレスかラーメンかチキン、
どれがいい？」
「チキン」
即答だった。
「じゃあこっち」
カイはフードをかぶって
ポケットに手をつっこんで
靴のかかとを踏んづけて、
実にかったるそうに歩く
俊敏な動きを見せるのが嘘みたいだ。
「いらっしゃいませ、
2名様でよろしいでしょうか？」
「はい」
席に着くと注文して一息つく
「今日の収穫は？」
まわりの席に人がいないことを
確認すると彼は尋ねてきた
「あー。廃工場にいた背の高いスーツの人、
あの人があなたと直接的な繋がりがあるから
その面からも捜査することになりそう」
そう言うと彼はあからさまに
面倒くさそうな顔をする
「ったく、あいつどこから
嗅ぎつけられてんだよ」
「あの人は下っ端って本当？」
「言わない」
「ずるい、私は喋ったのに」
するとカイはフッと笑った
「分かったよ。
そうだけどそうじゃない、とでも言っとく」
「どういうこと？」
「そのうち分かる」
もう喋る気がないのが空気で分かった
この人は一方的だ
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かのか(プロフ) - す、スンゴイ面白い！ (2015年7月29日 16時) (
レス) id: 171b30f749 (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - 続きが気になります！ (2015年7月24日 21時) (レス) id: 3f43380847 (このIDを非表示/違反報告)
るんるん - 読んでるこっちが震えるほど面白いです（笑）更新待ってます！ (2015年7月21日 0時) (レス) id: 724eac6f67 (このIDを非表示/違反報告)
Tm(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます〜！最高です(ToT)/~~~ (2015年7月18日 16時) (レス) id: 3097d1d4b4 (このIDを非表示/違反報告)
りゅっちょん(プロフ) - すっ、凄すぎる★めちゃｺﾜｲ★でもハマります!!すごく好きです! (2015年7月18日 15時) (携帯から) (レス) id: 75eedf787c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぺっぱー
| 作成日時：2015年6月7日 1時
