綺麗事 ページ12
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「今日は眠いからもう
風呂は起きてからにする」
ボストンバッグをドサッと床に置くと
カイは寝室を見つけて直行する
「待って、」
その間にも彼は靴下を脱ぎ散らかすと
ベッドに思いっきりダイブした
「……」
(今日はソファで寝ようかな…)
「じゃあ、おやすみ」
「お前ここで寝ないの？」
むくりと起き上がる
「だって、」
「別に襲いやしないって」
「おっきくないし、そのベッド」
「これから肌寒くなるしちょうどいいじゃん」
…あんまり気にしない人なのか
「じゃあ、お邪魔します」
まるで私が泊まりに来たかのような
形勢逆転具合に自分でも笑いそうになる
「なあ、お前何歳？」
ベッドに入ると隣の彼が顔だけ
こっちに向けて尋ねてきた
「24だけど。カイは？」
「秘密」
「え、ずるい！上か下かだけでも教えてよ」
「今度な。おやすみ」
フッと笑うと寝返りを打って背中を向けた。
(なんて勝手な人なんだろう…)
「おやすみ」
私も彼に背を向けて目を閉じた。
朝…ー
うるさいアラームを手探りで止めて
ゴロンと寝返りを打つと、
「……そうだった」
すぐ隣に整った男の顔があって、
声にならない叫びが出そうになった
ところで状況を思い出してとどまる。
私は犯罪者と生活し始めたんだった…
その犯罪者を起こさないように
ゆっくりとベッドから下りた。
ハムエッグをつくろうと一つ卵を割り、
少し考えてからもう一つ卵を割った。
二つも卵黄が並ぶことなんて
かなり久しぶりのことだ。
前の彼氏は、
泊まりに来な翌朝目玉焼きを出すと
“黄身は完全に固めてよ”なんて言って、
半熟派の私とは気が合わなかった
果たしてカイは…
「ま、いっか」
半熟の状態でフライパンからすくうと
トーストの上にそのまま乗っけて
台所で立って食べる始末
私にとってはよくあることだ。
もう一つのハムエッグは皿に移して
ラップをかけてテーブルに置いた
“食パンあるのでトーストにでも”
なんてメモも添えたりして。
彼が何時に起きるのか知らないし
食事の好みも知らないけれど、
それはこれから知っていくことだ
「行ってきます」
いつも一人でもやるように
小さい声でそう言ったところで
彼に鍵を渡していないことに気づく
スペアキーをメモ書きの隣に置くと
静かにドアを閉めて家を出た。
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かのか(プロフ) - す、スンゴイ面白い！ (2015年7月29日 16時) (
レス) id: 171b30f749 (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - 続きが気になります！ (2015年7月24日 21時) (レス) id: 3f43380847 (このIDを非表示/違反報告)
るんるん - 読んでるこっちが震えるほど面白いです（笑）更新待ってます！ (2015年7月21日 0時) (レス) id: 724eac6f67 (このIDを非表示/違反報告)
Tm(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます〜！最高です(ToT)/~~~ (2015年7月18日 16時) (レス) id: 3097d1d4b4 (このIDを非表示/違反報告)
りゅっちょん(プロフ) - すっ、凄すぎる★めちゃｺﾜｲ★でもハマります!!すごく好きです! (2015年7月18日 15時) (携帯から) (レス) id: 75eedf787c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぺっぱー
| 作成日時：2015年6月7日 1時
